写真にしか見えない! スマホと指で描いた「猫の絵」 高校生18歳の画家が、自己流でたどりついた成長が衝撃的

門倉 早希 門倉 早希

ツイッターに投稿された、一見普通のネコの写真。実はこれ写真ではなく、絵なんです。

描いたのは、現役高校生で18歳の画家・前田寧都(マエダ ネイト)(@_N_eko_)さん。前田さんはツイッターの投稿で、自身が10歳のときに描いた絵と件のネコの絵を比較。前者も10歳とは思えないタッチですが、その成長は目覚ましいものです。

しかもこのイラスト、実はスマートフォンに指で描いたというからさらに驚き。繊細な毛並みや奥行きを感じる瞳など、本物にしか見えません。前田さんに詳しい話を聞きました。

コロナ禍を経て「本格的に絵を描いてみよう」

ーーなぜタブレットやタッチペンでなく指で? 

「デジタル画を始めようと思った時にスマートフォンしか持っていなかったからです。スマートフォン用のタッチペンも試しましたが逆に描きにくいと感じたので使っていません。最近では大学用に板タブも買ってもらいましたが結局持ち運びの利便性や絵を描く体勢の自由度、いつでも描ける気軽さからスマートフォンに指で描くスタイルが1番描きやすいと感じています」

ーー所用時間はどれくらい?

「アプリの自動計測機能によると制作時間は14時間40分です」

ーー10歳で描いた絵も大人顔負けのタッチでした

「子どもの頃から絵を描くことが好きでしたが、その頃はそれよりもゲームや本や生物に興味があったので今よりは描いていませんでした。その頃は落書きが殆どで、ちゃんと絵の具を使った絵を描くのは図工の時間や夏休みの自由研究くらいで中学生になってからも大体そんな感じでした。

しかし中学3年の後半からは高校受験も終わり、コロナ禍で休校になったことなどで自由時間が圧倒的に増えたため、ちゃんと本格的に絵を描いてみようと思うようになり色鉛筆画から始めました」

ーー練習はどんなことを

「練習らしい練習は特に何もしていません。しかし、何も考えないで闇雲に描いているわけではなく美術解剖学の本や巨匠のテクニック等を調べてそれを頭に入れておいたり『ここの質感をこうするためにここの陰を上手く描こう』等と意識した上で1枚をちゃんと仕上げるようにして、完成したら良かった点・もっと頑張れた点などを考えて次に活かすようにしています。そういう意味では全てが練習作みたいなところもあります」

ーーいつも動物の絵をテーマに?

「テーマやコンセプトは描く絵によっても様々でまだ定まってはいないのですが、基本的に共通することは『それなら写真(最近ではAI)でいいじゃん』と言われない絵を描くということです。写真では失われてしまうような微妙な温度感や“人間が描いている”ということの面白さを大事にしています。

それと動物を描く際は人間としての『愛玩動物』的な視線を感じさせないように、あくまでもその動物という個人もしくはその動物としての造形の美しさや自然のままの可愛らしさをメインに描くことをモットーにして、人間が動物に押し付ける形での可愛らしさの願望は表現しないようにしています」

◇ ◇

まだまだ将来の展望については、「今まで公募展やグループ展に参加したことは何度もありますが、個展を開催したことはまだないので大学在学中、できれば今年中には個展を開催して沢山の人に来てもらえるようにしたいと思っています。将来は海外のあちこちで展示されたり、有名ブランドや企業とのコラボが出来るような作家になりたいです」と意気込みを語ってくれました。

前田さんが描いた猫の絵は『第四回全日本芸術公募展』に入選。3月31日から4月1日まで「豊中市立文化芸術センター」(大阪府豊中市)にて展示される予定です。

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