新たな京都名物となりそうな美しいスイーツが話題に。2月13日からテスト営業し、3月1日からグランドオープンする「麓寿庵(ろくじゅあん)」(京都市中京区)。主役となるのは、半透明の半円に色鮮やかな花びらが舞うわらび餅です。
重厚感ある木製のお盆の丸いガラスのお皿で供される、9個のわらび餅が並んだ「華わらび」(1550円)。洋菓子に使われることの多い食用花(エディブルフラワー)を和菓子に利用した“モダンな進化形”は、花びらの食感が新鮮。ほんのり感じる甘みと滑らかなのど越しを、別添えの自家製黒蜜や香ばしいきな粉とともに楽しめます。
さらに、注目したいのは、こちらをいただける空間です。建物は、大正3年に建てられた国の登録有形文化財の久保家住宅(旧今尾景年家住宅)。明治時代に活躍した日本画家の大家「今尾景年(いまおけいねん)」の邸宅兼工房だった家屋なのです。
美しい花鳥画を描き「綺麗濃褥(きれいのうじょく)」と評された今尾景年。南禅寺法堂の「蟠龍図天井画」が有名で、アメリカの「ボストン美術館」をはじめ名だたる美術館で作品が所蔵され、海外でも高く評価されています。
そんな歴史ある建築物で「文化の保全と発信」を望んでいた家主と縁あって実現した同店。店長の秋元さんが「伝統的な建物の素晴らしさを若い世代に広く伝えるとともに、現代的な和菓子で新しい風を取り入れたい」と語る通り、今尾景年の掛け軸や意匠、現代の技術では再現ができないと言われている大正ガラスの窓、丁寧に手入れされた日本庭園など、風格漂う空間や景色を満喫できるのです。
女性を中心に10代からシニアまで年齢関係なく、お客が訪れ、SNSでは「美しすぎる」「お花のおはじきみたい」「美しいお庭を眺めながら、美しいわらび餅」「あまりにも素敵な空間」と絶賛する人が続出。メニューのわらび餅だけでなく、庭や室内をいろんなアングルから撮影して楽しんでいます。
飲み物は全て、京都の老舗茶舗「一保堂茶舗」のものを使用し、ほうじ茶(200円)、抹茶(400円)を、特注の清水焼の器でいただけます。今後はおかゆなど軽食メニューも提供予定です。希望者には、建物の歴史の説明や、庭の見学も行ってくれます。場所は地下鉄・烏丸御池駅から徒歩約10分。予約方法はInstagramで確認を、混雑時は70分制。