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建設業で「DX化による業務効率化」が遅れている業務は「施工・専門工事」が最多…「DX化できない作業が多い」

まいどなニュース情報部 まいどなニュース情報部

「人手不足」「高齢化による技術継承」が業界課題として顕在化しているなか、建設業界で働く人はDXに対してどのような意識を持っているのでしょうか。そこで、全国の建設業界従事者の男女1000人に調査をしたところ、デジタル化による生産性向上、業務効率化が遅れていると思う業務プロセスは、「施工・専門工事」が最多となりました。また、デジタル化が進まない理由としては、約半数の人が「デジタル化できない作業が多い」と回答したそうです。

野原ホールディングス株式会社(東京都新宿区)が、「建設DXに対する意識調査」と題して2023年2月にインターネットで実施した調査です。

まず、「デジタル化による生産性向上、業務効率化が進んでいると思う業務プロセス」を複数回答可で答えてもらったところ、「設計関連業務(設計・監理など)」(46.6%)、「見積・積算業務」(38.4%)、「施工管理」(30.7%)が上位に挙げられました。

一方、「デジタル化による生産性向上、業務効率化が遅れていると思う業務プロセス」としては、「施工・専門工事」(35.3%)、「営業」(25.1%)、「施工管理」(23.1%)などが挙げられており、これを業種別でみると、「施工・専門工事」は「空間ディスプレイ(店舗や展示会ブース、オフィスなど、幅広い範囲で内装や展示に関するデザインを行う企業)」(50.0%)や、「工務店」(48.8%)などで多く、現場に近い業種ほどデジタル化の遅れを感じている傾向がうかがえます。

また、「デジタル化による生産性向上、業務効率化が進まない理由」を複数回答可で答えてもらったところ、「デジタル化できない作業が多い」(52.8%)、「現場での変更が多くデータ更新が面倒」(29.9%)、「導入から運用までの煩雑さ」(23.8%)、「予算が確保できない」(22.1%)、「従来のやり方が一番早いと思っているから」(21.7%)などが挙げられました。

これを業種別でみてみると、「現場での変更が多くデータ更新が面倒」では、「サブコン」(41.4%)や「設計事務所」(33.1%)で多く、「従来のやり方が一番早い」では、「スーパーゼネコン」(33.9%)と「地方ゼネコン」(28.0%)で多くなっており、建設ロボットの開発や、生産性向上の手段の一つとして国が進めるBIM(ビム/Building Information Modeling)の業界内旗振り役ともいえるゼネコンが上位に名を連ねている点が注目されるといいます。

   ◇  ◇

調査を実施した同社は「業界最大の課題に対する解決策として、現場でのデジタル化を阻害する要因が『予算』や『煩雑さ(面倒さ)』『これまでのやり方から抜けられない』ことにあるのだとしたら、業界での意識変革を現場レベルまで含めて変えていく必要があるように思います」と述べています。

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