今やITスキルは日常的に欠かせないものになっていますが、一般的な社会人はどのくらいのITスキルや資格を持っているのでしょうか。全国の30代~50代の会社員1010人に聞いたところ、半数以上の人が「Excel(エクセル)のVBA(マクロ)を作成できない」と回答したそうです。
リトルソフト株式会社が「社会人のITスキル・利用ツールに関する調査」として2022年2月に実施した調査です。
はじめに、「以下のExcelの関数で、実際に使用したことのあるのはどれですか」と聞いたところ、「SUM関数」(71.5%)、「AVERAGE関数」(52.2%)、「COUNT関数」(50.9%)、「IF関数」(50.9%)、「LOOKUP関数」(41.7%)、「COUNTIF関数」(40.3%)と続きました。
また、「ExcelでVBA(Visual Basic for Applications:Excelの操作を自動化させる『マクロ』コードを作成する時に用いるプログラミング言語)を作成すること」については、「作成できない」(55.3%)、「ネットで調べながら自分でVBAを作成できる」(23.9%)、「他人に教わりながらであればVBAを作成できる」(11.7%)、「大体は自分で好きなようにVBAを作成できる」(9.1%)という結果となり、ExcelでVBAを作成できない人が半数以上いることがわかったといいます。
次に、「以下のIT系の資格のうち、取得している資格はどれですか」と聞いたところ、「基本情報技術者試験(ITSSレベル2)」(10.5%)、「ITパスポート(ITSSレベル1)」(9.2%)、「応用情報技術者試験(ITSSレベル3)」(6.1%)。「ネットワークスペシャリスト(ITSSレベル4)」(3.9%)と続きました。その一方で「いずれも取得していない」人も77.7%いたといいます。
なお、「ITSS」は「IT Skill Standard」を略したもので、経済産業省が策定・発表したIT人材のスキル体系のことで、「ITスキル標準」とも呼ばれ、IT人材を教育する際の基準として使用されることが多いとされています。しかし、一般的な会社員の7割以上が「ITSS」について「名前も概要も知らない」と答えたそうです。
続いて、「以下のITスキルのうち、十分に習得していると思うスキルはどれですか」と聞いたところ、「どれも不足している」(56.6%)、「コミュニケーションスキル」(21.0%)、「論理的思考力」(18.6%)、「資料作成能力」(18.5%)、「プレゼンスキル」(12.5%)という結果になりました。
また、「職場には業務に必要なITスキルを持っている社員が揃っていると思いますか」と聞いたところ、「あまり揃っていない」(32.9%)と「まったく揃っていない」(28.0%)を合わせると、60.9%の人が「揃っていない」と回答。
さらに、「社員がITスキルを習得、あるいはサポートする環境」については、「あまり整っていない」(34.9%)と「まったく整っていない」(32.7%)を合わせて67.6%の人が「整っていない」と感じていることがわかったといいます。
さらに続けて、「社内のITスキル教育についての課題」を聞いたところ、「とてもある」(16.0%)、「ある程度ある」(39.1%)、「あまりない」(24.6%)、「まったくない」(20.3%)という結果となりました。また、社内の教育環境が整っていない理由については、以下のようなコメントが寄せられたそうです。
▽各個人が与えられた仕事のみをこなすだけで満足し、自分から進んで学ぼうという意識のある人間が少ない(30代男性/東京都)
▽自由にオンラインで研修を受けられるようになっているが、各自がどのようなスキルを獲得すべきなのか明確になっていない。結果的に上手く受講されていないと感じる(30代女性/東京都)
▽ペーパーレス化も進んでいないしオンライン環境も整っていない。ITを推進する雰囲気がない(50代男性/東京都)
▽研修を行うための部門がなく、研修を行うための人材も不足している(50代男性/愛知県)
最後に、「あると助かるのは、どのようなITツールやシステムですか」と聞いたところ、「誰でも簡単に扱うことができる」(44.8%)、「初心者から上級者まで使える」(38.3%)、「セキュリティ面が安全」(36.5%)、「リモートでも運用しやすい」(35.0%)、「1つのツールで複数のことが管理・把握できる」(30.4%)という結果になったそうです。