「収入が少ないから…貯金ができない」なんて大間違い! FPが教える「脱・貯金ができない人」への3ステップ

FPオフィス「あしたば」 FPオフィス「あしたば」

「貯金ができない」「将来のことを考えて貯金しているけど一向にお金が貯まらない」…。

このような悩みを抱いている人は多いものの、「じゃあどうしたらいいの?」と解決策がわからないこともあります。貯金ができない人にはいくつかの特徴があり、習慣や考え方を改めることで貯金体質に近づくことができます。この機会に、貯金できない状態から脱却し、家計を貯金体質に改善させてみましょう!

貯金できない人の特徴は…

貯金ができない人の中には、「収入が少ないから貯金ができない」と考える人がいます。

しかし、貯金ができるかどうかは収入と関係ありません。

収入が少なくてもしっかりと貯金している人もいれば、収入が多いにも関わらずなぜかお金が貯まらないという人がいます。

まずは、貯金できない人の特徴を以下で解説します。該当する項目がないかチェックしてみてくださいね。

▽(1)貯金の目標がない

貯金はお金を貯めることが目的ではなく、将来の何らかの支出のために今からお金を準備するために行うものです。

目標(支出理由)があれば、それを理由に貯金も続けられるでしょう。しかし、明確な目標がないままなんとなく貯金を続けていても、つい貯金を使ってしまうこともあるでしょう。

貯金のその先にある具体的な目標や理由を明確にしてください。

▽(2)収支が把握できていない

貯金ができない人の特徴の1つに、毎月のお金の出入りを全く把握していない点があります。毎月の収支がわからないと、どの支出を見直して良いのかわかりません。

そして、簡単に節約できる(と思われがちな)食費をとにかく削る、といった行動に走る人が少なくありません。しかし、実は食費よりも、例えば保険や通信費といった固定費を見直すほうがよほど効果があり、さらに見直しによる効果は大きいです。

収支の把握は、貯金の第一歩ともいえるほど大切なことであり、貯金したいと考える人は毎月のお金の流れを把握しましょう。

▽(3)お金を使う頻度が高い

出勤前に毎朝コーヒーを買ったり、仕事終わりにコンビニに立ち寄ってついついお菓子を買ってしまうという癖はありませんか? いずれの支出も数百円程度のわずかなお金ですが、そもそもお金を使う頻度が高いとなかなか貯金が貯まりません。

1日1回のコーヒーを我慢して自宅から水筒を持参する、コンビニに立ち寄る頻度を週1回にするなど、工夫次第でお金を使う頻度を下げることができます。

▽(4)衝動買いが多い

本当は買うつもりがなかったのについ買ってしまう人や、買い物がストレス発散の手段になっている人も要注意です。予定外の支出が多いと、おのずと貯金に回すお金も減ってしまいます。

「バーゲンで安かったからつい買ってしまった」
「人気のアイテムだからとりあえず買っておこう」

こんな気持ちでの買い物は絶対に避けましょう。

▽(5)自分へのご褒美が多い

仕事や勉強、育児をがんばった自分を労わるあまり、自分へのご褒美が多い(もしくは非常に高額)になっていませんか?日常生活の合間のちょっとしたご褒美であればまだしも、何かと理由をつけてあれこれ購入することは避けましょう。

メリハリのあるお金の使い方を目指すことで、少しずつ貯金が貯まります。

▽(6)部屋が散らかっている

意外に思うかもしれませんが、部屋が散らかっていると無駄な支出が増える傾向があり、結果として貯金できない体質に陥っています。

部屋が散らかっていることで引きおこるお金の問題として、以下のような事例があります。

・自宅にないと思って買った調味料のストックが、実はまだあった
・新しく買った服のデザインが、手持ちの服と酷似していた
・部屋のどこかにはあるはずだが、イヤホンが見つからずにもう一度同じものを購入した
・散らかっている部屋を片付けようとして収納用品を買い足した
・外部サービスで自宅の掃除や整頓を依頼した

もし部屋が散らかっていなければ、上記のような支出は不要です。

持ち物の定位置を決める、物を持ちすぎないといったことを心がけると、少しずつ部屋がきれいになり、余計な支出を減らせるでしょう。

貯金体質になるための3ステップ

▽(1)将来必要なお金を書き出す

先述の通り、目標や目的がないまま貯金するのはNGです。

そこで、貯金を目指すには、まず将来必要になる(なるであろう)と考えるお金を一覧にして書き出してみましょう。

その際、必要になる(なるであろう)お金を以下の通り区分すると、より必要なお金が明確になります。

【ポイント】
・短期(今から5年以内に必要なお金)
・中期(今から10~15年後を目安に必要になるお金)
・長期(今から20年後以降を目安に必要になるお金)

結婚関連費用やマイホームの購入費用は、人生においても非常に大きな支出になります。また、いずれは子供を…と考える人は、教育資金の準備も不可欠です。もちろん、旅行費用やマイカーの購入など、趣味や娯楽であっても、ある程度まとまったお金が必要になることもあるでしょう。そして忘れてはならないのが、老後資金です。

目先のことだけ考えず、長い人生のそれぞれのステージで必要になるお金を書き出してみましょう。

そうすることで、「まずは旅行資金を貯めたい!」「老後の資金対策も今から少しずつ始めておくか」など、貯金の目的をはっきりとさせることができます。

▽(2)収支を把握して毎月の貯蓄額を決める

貯金の目的を明確にしたところで、次は「実際にどれだけ貯金できるのか」という点を確認する作業です。そのためには、やはり毎月の収支の把握が不可欠といえます。

収支を把握する方法はいくつかあり、家計簿で収支を把握するのが理想です。

しかし、いきなり家計簿というのもハードルが高いという人であれば、まずは1カ月に使ったお金を紙に書き出しましょう。

【良い例】
まずは2~3日おきに、財布の中のレシートの整理を兼ねて使ったお金を書き出してみましょう。その際、ざっくりと数百円単位でも構いませんので、まずは継続することを心がけましょう。

【悪い例】
1カ月分のレシートを一気に月末に整理することは避けてください。また、1円単位までこだわる必要はなく、お金の大きな流れが把握できるかをポイントに考えてください

それだけでも収支の把握には大きく前進します。その上で、毎月どれくらいのお金を貯金に回せるかをチェックしましょう。

収支を把握すると、無駄な支出や不必要なお金の流れがわかります。最初は無理せず、確実に貯められる金額を貯金として先に確保しておきましょう。

▽(3)数カ月~半年ごとに(1)と(2)を見直す

(1)のステップで、将来必要になるお金を書き出しましたが、書き出して終わりではありません。

将来のことは誰にもわからないように、ライフプランは常に変化します。

例えば、結婚するタイミングが想像よりも遅れたり、逆に早まったりすることだってありますよね。

そのため、(1)将来必要なお金を書き出す作業は不定期で良いので引き続き実践しましょう(目安として1年に一度は、ライフプランに変更がないか確認すると良いでしょう)。

そして、(2)収支を把握して毎月の貯蓄額を決める作業は半年~1年ごとに見直しが必要です。

貯金できるようになると、家計がさらにスリムになって、「もっと貯金に回せるかも!?」といった嬉しい発見があるかもしれません。

逆に、「ここ半年は、資格取得のための支出が多かった」「月5万円の貯金は少しキツいな」などと振り返ることで、その後の貯金ペースや貯金額を見直すきっかけになります。

ある程度の貯金ができたら…投資を始めよう!

今回は貯金をテーマに解説してきましたが、「貯金!貯金!」と、とにかく貯金だけを考えてお金を貯め続けるのは、将来必要なお金を準備するという視点からいうと、決して最善の行動とはいえません。

貯金することは大切ですが、貯めながらも、お金に働いてもらうことを心がけることで、より効率良く将来のお金を準備できます。

投資(特につみたて投資)については、知っている人も、そうでない人も、ぜひ興味を持って理解を深めてみてくださいね。

貯金はゴールではない

貯金がなければなんとなく不安になるし、貯金があれば「あれが欲しい」「これが欲しい」などと生活に張りが出ますよね。

数年前に、老後2000万円問題が話題になるなど、「将来必要なお金は自分で準備しなきゃいけないの?」と漠然とした気持ちを抱き、さらに貯金志向に走る人も少なくありません。

しかし、貯金を目的にしてしまうのは禁物です。

貯金はあくまでも将来必要なお金を貯めるための手段であり、貯金は、目的を明確にした上で収支の把握が欠かせません。そして、余裕が出てきたらさまざまな投資方法の活用も考えたいものです。

◆舘野聡子(たての・さとこ)FPオフィス「あしたば」のファイナンシャルプランナー。保険会社での個人向け営業に従事しながら、「保険が最適解ではないこともある」と痛感し、より幅広い視点でお客様に寄り添うことができるFPを志す。FP業務の傍ら記事執筆にも取り組み、資産形成のきっかけや気づきにしてもらうべく奮闘中。

   ◇   ◇

弊社FPオフィス「あしたば」では、毎月の収支の見直しのお手伝いから、貯金・投資額の割合を決めるアドバイスまで、お金に関わるさまざまなご相談をお受けしています。ぜひお気軽にご相談ください。

▽FPオフィス「あしたば」
https://ashitaba-mirai.jp/

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース