「私は子供の頃からベルマークを集めています。今はあまり活用されていないのでしょうか?どこかで回収されていないのでしょうか?」。滋賀県長浜市の男性から京都新聞の双方向型報道「読者に応える」にこのような投稿が寄せられた。おもに小学校で盛んだった印象があるベルマーク集めだが、最近は下火になっているのだろうか。現状について取材した。
投稿者は澤邑友博さん(64)。以前は集めたベルマークを近所の郵便局に置かれた回収箱に入れていたが、最近その箱が撤去された。手元には、行き場のないベルマークがたまっているという。
そもそもベルマークとは何なのか。ベルマークはベルマーク教育助成財団(東京都)が展開する活動だ。大手新聞社の協力で1960年に財団が発足し、始まった。現在はマヨネーズやカップ麺といった食品をはじめ、せっけんや乾電池など40社あまりの商品に「1点」や「2点」などと記されたベルマークが付いている。収集はPTA単位で行われることが多く、ベルマークを集めて、財団に送ると1点を1円として換算し学校単位で預金する。預金が一定額に達すると小中学校で使用する図書や一輪車、パソコンやテレビなどの購入に使用することができる。
ベルマーク運動に参加するにはPTA単位が基本だが、PTA以外でも参加は可能だ。個人が財団事務所にベルマークを郵送できるほか、財団ホームページでは、労働組合が中心のグループによる活動例が紹介されている。PTA以外で集められたベルマークは財団が預かり、全国校長会などと相談しながら支援先を決定していくそうだ。
では、投稿にあった「郵便局に置かれた回収箱」というのはどういうケースが考えられるのだろう。財団の広報担当者は、近くの学校が郵便局に依頼して回収箱を置いているか、郵便局が直接財団事務所にベルマークを送っているかのどちらか、だと推察する。
学校外でのベルマーク回収箱の設置箇所数について財団事務所は把握しているのだろうか。広報担当者は「回収箱の数は分からない」とした。
少子化の時代だが、ベルマーク運動は低調になっていないのだろうか。財団は「2006年に大学や公民館などの生涯学習施設も参加できるように改めた」とする。
財団がホームページに掲載している2021年度の活動報告によると、2022年2月現在、小学校1万3973校、中学校6193校、高校1156校がベルマーク運動に参加している。しかし、近年の参加団体数は横ばいが続いている。
またベルマークを集めて購入する以外にも財団が主体となって山間部の小規模校などへの支援も行っている。2021年度は小規模校100校、特別支援学校45校、院内学級4学級、在外日本人学校4校が対象となったという。
では、個人で集めたベルマークはどうすればいいのだろうか。財団の広報担当者は「寄贈マーク」と封筒に明記の上、名前を公表してよいかどうかを記載し、財団事務所〒130-0026東京都墨田区両国3-25-5 JEI両国ビル9階ベルマーク教育助成財団「寄贈マーク係」に送ってほしいとする。
投稿者の澤邑さんは「郵送するとなると手間が掛かります。1年に1度でもいいので、市役所に回収箱を置いてもらえれば、入れやすいのですが」と話していた。