映像やイラスト用の「CreatorPad」が発売前から話題 「痒いところに手が届くデバイス」

八木 純子 八木 純子

 クリエイターのプロ2人が開発した映像やイラストのための便利なデバイス「CreatorPad」が注目を集めている。クラウドファンディング「Makuake」で紹介されるやいなや、目標金額50万円の20倍以上となる1300万円(1月29日時点)が集まった。なぜ、発売前から話題沸騰なのか。取材してみた。

映像制作のプロがタッグを組んで生まれたデバイス

 プロだけでなく、今や一般の人もYouTubeやtiktok、インスタなどSNSで映像を発信する人が増えている。そんな時代にクラウドファンディング「Makuake」で話題になっているのが、映像やイラストが楽に作れ、時短も実現した左手デバイス「CreatorPad」なのだ。

 開発したのは長年映像編集に携わってきた2人のプロ。「CreatorPad」のプロデューサーである神保貴行さんは映像制作約歴24年の大ベテランだ。1日8時間以上、PCの前に座り作業を続けるなかで「クリエイターとして自身の作業効率が上がる方法やデバイスはないものかと模索してきた」と語る。

 一方、「CreatorPad」の開発を担当したのは小池俊樹さん。約5年前からキーボードの開発・販売を行ない、個人で開発した「Mint60キット」は国内で約1300台を販売するほどの人気商品に。著書に「はじめての自作キーボード」(2021年、工学社)がある。

 この2人がタッグを組んだ「CreatorPad」は2022年暮れには開発が終わったという。約2年半に及ぶ開発期間中、「20回もの試作・試行錯誤を繰り返した」と小池さん。大変だったことは想像に難くない。

ドライバ不要 動画編集も簡単に!時短も実現

 「CreatorPad」の特徴はジョグと4つのつまみ、17つのキーを手のひらサイズに詰め込んだ左手用デバイスで、うれしいのはドライバのインストールが不要だということ。PCに接続するだけですぐ使えて、ワンタッチで欲しい機能にアクセスできるのが魅力だ。PCだけでなくiPadでも同じように使用することが可能だという。

 動画編集において、便利なのが「ジョグ機能」だろう。ぐるぐると回しながら簡単に編集点を探すことができ、人差し指一本でぐるぐる回すことも可能だし、1フレームずつの精密操作も的確に行うことができる。また、ジョグで編集点を探し、ワンボタンでリップル編集もできる。ソースウィンドウでインポイントアウトポイントを設定すれば「タイムラインへ挿入するのもとてもスムーズ」という。

 イラスト制作でも自分の描きやすいようにキャンバスを回転させることができ、拡大縮小も自由自在。通常は面倒なブラシサイズ変更も簡単にできるメリットがある。慣れれば慣れるほど「痒いところに手が届くデバイス」を実感するかもしれない。

初心者にも使いやすく、コンパクトなのも魅力

 大きさは手のひらに乗るサイズ。全体がコンパクトなため、横向きはもちろん縦向きで使うこともでき、左手だけでなく右手でも違和感が少なく使えるようだ。また、市販のキーボードと同じキーピッチ(19mm)を採用しているため、ショートカットデバイスが初めての人でもキーボードと同じ感覚で使えるという。

 「近年、急激に需要の増えたZoomで使えば簡単にビデオの開始やミュート等の操作が行える」とは小池さん。生産は3月か、4月頃になるといい、ネット販売は5月以降になりそうだが、クラウドファンディング「Makuake」では限定価格で商品を手に入れることができるとあって、掲載されるや多くの人がこのプロジェクトのサポーターになっている。

 応援プロジェクトの締め切りは3月14日だが、目標金額50万円を大幅に上回り、すでに1300万円超え。このままだと2000万円突破も夢ではないかもしれない。

詳しくはhttps://www.makuake.com/project/creator_pad/

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