新潟県でも雪が多い地域と少ない地域がある…県民による豪雪の真逆現象を解説するツイートが分かりやすい

竹中  友一(RinToris) 竹中 友一(RinToris)

12月18日の寒波で、新潟県内では突然の豪雪となりました。新潟県は普段から豪雪地帯として有名な地域。例年の状況と何が違うのでしょうか。

新潟県在住のH2O (yuma)さん(@H2O_gt_mini4wd)が、Twitterでとても参考になる画像を公開してくれました。

「新潟県民雪慣れてると思われがちだけど、違うねん。普段雪が降るところは赤枠のとこで、今回は青枠の所が降ってるんだて」と、地図に赤枠・青枠をつけて説明したH2Oさん。

H2Oさんによると、新潟市・長岡市・柏崎市など県内でも北西に位置する青枠の地域は、魚沼市・十日町市などの赤枠で示された地域と比べて例年の降雪量は少ないとのこと。実際、H2Oさんのツイートには、「今年の1月に新潟市行ったけど、雪全く無かった」とも書かれています。

しかし今回はむしろ、青枠の地域が記録的な豪雪となっています。普段降らないところにドカ雪が降ったため、いろんなことに対応しきれず、大きなニュースになっているのですね。

H2Oさんの説明がとても分かりやすいと、ツイートのリプ欄や引用リツイートを通じて、たくさんの反響がありました。

「学校の授業にスキーがあり、スキーが滑れるのも赤枠の子供(大雑把な分類だけどね)。青枠の子供は授業ではシーズンに1回行くか行かないかくらいなので、必ずしもスキーが上手いとは限らない」
「雪の降らない地域にこの量なら除雪インフラ整っていないので大変でしょうね。魚沼感覚だと1メートル積もらない地域は『雪が降らなくて羨ましい』地域です」
「そこそこの雪でも一晩で降ると対処しきれないんですよ!!コンビニ行っても何もないので、Amazonでどん兵衛を箱買いしました」

新潟県在住(赤枠・青枠ともに)の方々からこのような声が寄せられています。

その一方で、「青枠のとこも場所によっては結構降るとこありますね」「(長岡市でも)融雪パイプとか結構あります」というコメントもありました。

実際、比較的雪に馴染みの深い新潟県の人たちと、雪があまり降らない県の人とは、降雪量の多い・少ないの感覚が異なるといいます。H2Oさん自身も、「青枠の地域も全く降らん訳ではない」とコメントされています。

なぜ青枠の地域に雪が多くなった?

新潟県内でも、普段雪が少ないとされる青枠の地域。しかし今回、そちらの地域が豪雪になったことが大きな話題となっています。

なぜ、そのような現象が起こったのでしょうか?

例年、冬には大陸から北西の季節風が日本に吹き込みますが、その空気は対馬海流という暖流の影響で水蒸気を多く含んでいます。それが日本列島の越後山脈などに遮られて上昇し、湿った空気は上空で冷やされて水蒸気が凝結、地上に降り注ぎます。そのため、新潟県でも山沿いの地域の方が、通常は降雪が多くなるといわれています。

しかし、今年の日本海の水温は平年に比べて1~2℃高く、空気中に供給される水蒸気量がより多くなりました。また、ここ数日間の急激な気温低下により、大気の状態が不安定となり、より雪雲が発達しやすい環境に。さらに、日本海で風がぶつかり合うことで発達する日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)が発生し、県内に次々と雪雲が流れ込んできました。また、風力が弱いと、日本海側の沿岸部や平野部の降雪が多くなるともいわれていますが、先日日本列島に吹き込んだ風も比較的弱いものでした。

それらの影響によって、今回は降雪が比較的少ないとされる平地や佐渡島などで、大雪になったといわれています。一方で、例年では雪が多いとされる山沿いの地域には、入り込む雪雲の量が少なく、そのため例年とは逆転の現象が起こってしまったと考えられています。

しかしながら、H2Oさんによると、ご自身も住む魚沼・南魚沼市・十日町といった地域でも徐々に雪が強くなってきているとのこと。

新潟県の雪状況、修正版も公開

また、Twitterのコメントや引用リツイートなどでの指摘を受け、H2Oさんは2日後、さらに地図の情報を修正したものも公開。青枠・赤枠の範囲を変更したほか、新たに緑の枠も追加しました。

赤枠:ほぼ毎年1〜3m程度は必ず降る所
青枠:今回大変になった所
緑枠:普段、赤に比べて降らない地域

色の分類はこのようになっており、さらに詳しく情報を提供されています。

H2Oさんに聞きました。

――県内でも降雪が多い地域、少ない地域があるそうですね。両者での大きな違いはありますか?

H2Oさん:雪が少ない地域でも、全く降らないわけではないですが。しかし、除雪の体制の違いなどはあると思います。

――H2Oさんがお住いの地域は、平年は雪が降りやすいとのことですが、例年の状況、また現在の状況はいかがですか?

H2Oさん:ここ数年だと最低でも1メートル以上、多い時だと3メートル程度というのが多いです。しかし、現在は街なかだと18センチ、一番多いところで66センチだそうです。

――普段は雪が少ないとされる地域にお住まいの方の状況は?

H2Oさん:地図の青枠内の地域に親戚がいますが、雪かきが大変というぐらいだそうです。食料なども18日の昼間に買い出しにいったこともあってか、そこまで困ってはないとのことでした。

  ◇  ◇

H2Oさんによると、今回図示した情報は、あくまでも「大雑把なもの」であり、正確ではない部分もあるかもしれないとのことです。

また、18日から続いた豪雪。21日には少し落ち着き、晴れ間も広がりましたが、22日から天気が崩れ、より広範囲に雪が降り続くおそれがあるとのことです。

さらに、H2Oさんからは、「自分たちが住んでいる地域では、スーパーやコンビニの物流拠点が長岡市にあることが多いので、品切れが多発しています」とのお話もありました。今のところ雪が少ない地域であっても今後、影響を受ける可能性は十分にあります。

今週末は、全域で警戒を強める必要がありそうです。新潟県内にお住まいの方、また県内に訪問を予定されている方は、くれぐれもご注意ください。

■H2O(yuma)さんのTwitterはこちら
 →https://twitter.com/H2O_gt_mini4wd

■北陸ブロック発注者協議会の公式サイトはこちら
 →https://www.hrr.mlit.go.jp/gijyutu/burokkukouhyou/hyoudai.html

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