「ハムスターが火葬直前に生き返りました」葬儀スタッフのつぶやきに「そんなことあるの!?」実はあるあるだった…ってマジ?

みやなお みやなお

個体の大小に関わらず、ペットは唯一無二の家族。蘇りは飼い主にとって、全世界共通の願いというもの…。

「そういえば、昨日合同葬に来たハムスターが火葬直前に生き返りました。脱走して寒い部屋に行き、冬眠状態になってしまったようです。お葬式してお線香あげて『まるで眠っているような安らかなお顔ですね』なんて言っていたのに本当に寝ていただけ…!冬眠する生き物は生死確認、要注意です!!」

Twitterに投稿したのは、高橋レモン(@lemon_tak)さん。ペット霊園に勤務しながら、漫画も描かれています。大真面目ながらもコントのワンシーンを彷彿とさせるつぶやきに、驚きの声から、まさかの経験談まで様々なリプライも寄せられ、大きな反響を呼びました。

「そんなことあるの!?」
「生き返ってほしいって思うけど、実際にあるんですね」
「火葬されなくて本当によかったです!」
「レモンさんが気付いてくれて良かった」
と、歓喜の声が上がる一方、

「ハムスターは冬眠して仮死状態になるから要注意!!!」
「昔飼ってたハムもあっためたら生き返ったよ」
「エアコンもペットヒーターもなかった昔、2度ほど体験」
「うちでも似たような事が…」
と、次々に経験談も続出。さらに

「以前飼ってたシマリスが冷たくなってて、死んだと思って手に乗せてわんわん泣いてたら手の温かさでかピクッと動いて、冬眠状態!?と気付いて慌てて医者に連れてった」
「バッタも生き返ります」
など、知る人ぞ知る“動物あるある”が判明する事態に。

今回の蘇り騒動について、ペット霊園に勤めながら、ペット霊園の漫画を描いているという投稿者の高橋さんにお話しを聞きました。

寒さがさらに厳しくなるこれからの季節、冬眠本能のある動物は要注意です!

ーー火葬直前に危機一髪、よく気付かれましたね!

「普通のご遺体は真っ白になるんです。合同葬のご葬儀をして飼い主様が帰宅された後、火葬準備のためバックヤードにハムちゃんを運んだところ、手足にほんのり赤みがさしてたんです。『脱走して寒い部屋で動かなくなっていた』と飼い主様が話していたことを思い出し、もしや?と、手で包み込んでしばらく温めたところ、手足がピクピク動いてお目覚めになりました!」

ーー素晴らしい、まさに神の手です!

「冬眠から目覚めず亡くなってしまうことが多いようなので、今回は飼い主様の思いが通じたのかもしれません」

ーー蘇ったハムちゃんの飼い主さま、泣いて喜ばれたのでは?

「はい、ハムちゃんが蘇生したことを電話でお伝えしたところ、すぐにご家族全員でお迎えにいらっしゃって。とても驚いて、喜んでおられました!ハムスターが冬眠するのを知らなかったそうです」

ーー確かに、冬眠する動物がいるのは知っていても、ペットとなると…。想像していませんでした。

「飼育下のハムスターはうまく冬眠できないので、できるだけ早く叩き起こした方が良いようです。あ、今回はたまたまこういう展開になりましたが、ペット霊園では生死判定はできないので、獣医さんのところでお願いします! これ【重要】です」

ーーわかりました! 高橋さんの投稿を見ると、漫画を描かれている猫だけでなく動物への深い愛を感じます。なぜにペット葬儀の世界へ?

「ペット霊園は、愛されたペットたちが最後に見送られる場所。元々ガーデンデザイナーだったのですが、(現ペット霊園)社長も私も動物が大好きで、理想のペット霊園を作ろう!という話になり、ガーデニング樹木葬ができるペット霊園を立ち上げたんです」

ーー立ち上げからとは、驚きです。ガーデニング樹木葬、いいですね。ペットを見送るばかりの立場ですが、動物と庭を愛する高橋さんが作る霊園なら、最愛の子たちも安らかに過ごせそうです。

「はい。(理想の霊園にするため)土地を買うところから始め、全国のペット霊園へ視察へ行き、火葬炉を購入して施設を建設して樹木葬墓地を整えて…2年がかりでオープンさせました」

ーー2年の間に、たくさんの悲しいお別れに立ち会ってこられたと思いますが…

「そうですね。どんなに辛く悲しい場面でも、良い意味でその場の誰よりも冷静になり、家族の皆様にとって悔いのない葬儀になるようにサポートするのが葬祭スタッフの役目だと思っています。ご葬儀が終わって『良いお見送りができました』と言っていただけた時は、その役目が果たせたのだと嬉しく思います」

ーーまさにペット業界の「おくりびと」ですね

「旅立ちの前後は気持ち的にも大変な状況で、ペット火葬のことについて冷静に調べたり判断したりできない方も多いと思います。いざという時に後悔のないよう、事前に少しでもペット火葬について知ってもらえれば…という思いで漫画を描いています」

いつまでも一緒にいたいけれど、避けては通れない別れの時。今や最後の旅立ちは、ペット葬儀社にお世話になるのが常識です。考えたくはないものの、ペットと暮らすものとして、知っておきたいペット葬祭の現実が描かれているという高橋レモンさんの作品は、ペット火葬エッセイ漫画『ペット火葬をする人ぞ(レモンば~む)』ほか、元祖ねこ漫画のコンビニコミック【ねこぱんち】にて『ペット葬祭 ねこの虹(にゃんCOMI)』をシリーズ連載中。

さらに、こちらの連載漫画『ペット葬祭 ねこの虹』について、高橋さんからひと言。

「毎話、猫が亡くなり遺骨になるシーンが描かれています。ペットの旅立ちが近い方やお見送りをしたばかりでお気持ちが辛くなる方は、読まない方が良いかもしれません。それでも、この漫画の内容や情報がいつか誰かのためになるはず、と思っています。必要な方に届きますように、という気持ちを込めてこれからも描き続けていきたいと思います」

■高橋レモンさん https://twitter.com/lemon_tak

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