「どんな絵本をお探しかにゃ?」素敵な絵本との出会いをお手伝い…「絵本と猫に癒される」と評判の小さな本屋さん

うちの福招きねこ〜西日本編〜

西松 宏 西松 宏

 本業であるライター業をしながら、絵本やさんを開いたのは、ここで本を読む習慣や楽しさを伝えていきたいと思ったから。今の時代、ネットを検索すれば様々な情報がすぐに得られますが、ネット内には真偽の不確かな情報もあります。私は何か調べるときには、いつも関連の本を探して読んできたので、特に若い世代には、本という選択肢を忘れず、正確な情報を自分で判断できるようになってほしいと願っています。

 店にはゼロ歳児の赤ちゃんを抱っこしたママさんもよく来られます。ママさんが「ねこちゃんだよー」と赤ちゃんの手をあおのモフモフした体に近づけると、あおは「はい、ぼくがねこです」みたいな顔をしています(笑)。すると赤ちゃんも嬉しそうな表情になるんです。そんなふうに、あおはこれまで多くの赤ちゃんの「ファースト猫」になってきたんですよ。誰に触られたり抱っこされたりしても嫌がらないので、接客業や看板猫にはぴったりだと思います。

 私、あおにいつも話しかけるんです。今日もここに来る前、「取材の人がお店に来て写真を撮ってもらうよ。可愛く撮ってもらおうね」って。ほかにも「ちょっと遠くへお仕事で行くから、帰ってくるのは夕方すぎになるよ。だからお利口にしててね」とか「大事な高校時代のお友達が来るから仲良くしてね」とか。

 一方的ですけど、そうやっていつも話しかけているからか、あおは言葉の意味をしっかりと理解してくれているように感じます。あおも優しくて、私のことを常に気にかけてくれます。離婚したときも、ずっとそばで寄り添ってくれました。あおがいたから仕事もまたがんばろうって思えましたし、本当に私と出会ってくれてありがとう、という気持ちです。執筆の合間に、あおと一緒に家のベランダで休憩して、ブラッシングしてあげたり星を見上げたりするときが一番幸せです。宇宙で一番大好きだよって、いつも言ってます。

 

 大人が絵本を手にとると、幼いころ読んでもらった本と再会して懐かしさを感じたり、小さいころは気づかなかったけど、実は深い内容だったんだなあと感じられたり。前向きな気分にさせてくれる、あるいは、心の支えになるような絵本と出会えたときには、宝物を見つけたような気持ちになれるかも(笑)。これからもあおと一緒に「ずっと手元に置いておきたい」と思える大切な1冊を見つけるお手伝いができたらいいなと思っています。

【店名】「街の小さな絵本やさん Books cyan(ブックス シアン)」
【住所】福岡県福岡市南区市崎1-1-5 金子ビル301
【インスタグラム】@books_cyan

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