忍者に変身する“くノ一猫” 伊賀流忍者発祥の地で活躍中

うちの福招きねこ〜西日本編〜

西松 宏 西松 宏

 「伊賀流忍者発祥の地」といわれる三重県伊賀市で、観光客から大人気の“くノ一猫”がいる。1909年創業の老舗茶屋「むらい萬香園(ばんこうえん)」の白猫、茶々(5歳、メス)だ。飼い主は、“忍者の末裔”という店主の村井元治(66)さん。茶々が忍者猫として人気になった経緯などについて語ってくれた。

  ◇   ◇

 23年間も一緒に暮らした先代猫のみーちゃん(メス)が2013年に亡くなり、1年ほどは猫のいない生活を送っていたのですが、私も妻も猫がいないとどうにも寂しくてねえ。また猫がほしいなと思うようになり、2014年5月、保護団体から茶々と利休(オス、享年3歳)の2匹を譲り受けました。

 母猫と赤ちゃん4匹の計5匹が捨てられていたそうで、茶々と利休はその中の2匹です。ここにやってきた生後2ヶ月の頃から、一緒に遊んだり寄り添って寝たりして、とても仲良しでね。

 うちもそうですが、伊賀には観光客が忍者衣装に変身してまちを散策できる「忍者変身処」が何か所かあり、ペットショップでは飼い犬用の忍者衣装も売っているほど。猫用は、嫌がる猫が多いからか売っていませんが、あるとき、妻が亡くなったみーちゃんに「うちの子、猫やけどこれ着るやろか?」と犬用の忍者衣装を試しに着せてみたんです。

 すると、嫌だったのか固まってしもうてねえ(笑)。みーちゃんはそれっきりでしたが、茶々と利休がやってきたので、再び着せてみたんですよ。すると、どちらも嫌がらず、じっとおとなしくしていて、まんざらでもない様子。それを見たお客さんたちは「猫が服やかぶりものを嫌がらないなんて」とびっくり。その後、新聞やテレビなどで「忍者猫」として取り上げられ、注目を浴びるようになったんです。

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