通学時の自転車事故が多い都道府県 中・高校生ともに「群馬県」が1位に

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「自転車の安全利用促進委員会」は、中学生・高校生の通学時における自転車事故発生件数について調査・分析し、このほど結果を公表しました。その結果、2021年の1万人あたりの事故件数は中学生、高校生いずれも昨年より増加。都道府県別では中学生、高校生ともに「群馬県」がワースト1位だったそうです。

公益財団法人交通事故総合分析センター(ITARDA)から提供を受けた2021年1月~12月の事故データを、同委員会メンバーの古倉宗治氏の監修により調査・分析したといいます。

2021年は通学時の自転車利用が徐々に戻り、昨年は減少した事故件数が増加。前年比で、中学生は1373件から1586件と213件の増加、高校生は6230件から7074件と844件の増加となっていたそうです。

「1万人当たりの自転車事故件数」を都道府県別に見ると、中学生のワースト1位は「群馬県」(33.07件)、2位は「香川県」(18.90件)、3位は「徳島県」(14.93件)となり、群馬県では前年より約55%増加していたそうです。

そして高校生のワースト1位は、調査開始から8年連続で「群馬県」(111.95件)、2位は「静岡県」(64.29件)、3位は「徳島県」(41.26件)でした。

一方で、通学時の自転車事故について「中高生が加害者になった割合」を調べたところ、全体の約2割(中学生19.6%、高校生19.1%)が、自転車側(学生)が第一当事者(事故当事者の中で一番過失が重い人のこと/略して「一当」と表記する場合があります)の事故であることがわかりました。

これを都道府県別でみると、高校生では、「東京都」(46.48%)、「栃木県」(45.07%)、「愛媛県」(37.29%)がワースト3という結果に。一方、中学生でのワースト3は「栃木県」(55.88%)、「和歌山県」(47.06%)、「兵庫県」(43.66%)という結果だったそうです。

なお、「通学時の自転車事故の相手方」については、中学生・高校生いずれも83%が「自動車」でした。

また、「通学自転車の事故時における自転車運転者のヘルメット着用状況」については、中学生の3割、高校生は9割超がヘルメットの着用していなかったことが判明。警視庁によると、自転車乗用中の交通事故で死亡した人の約6割が頭部に致命傷を負っており、ヘルメットを着用していなかった人の致死率(死傷者のうち死者の割合)は、着用者に比べ約2倍も高くなっていることがわかっており、頭部損傷、死亡事故を防ぐためにヘルメット着用の促進が急務となっているといいます。

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調査を監修した古倉氏は「自転車事故の多くは特定要因だけではなく、複数の要因が影響して発生します。特に通学自転車側に法令違反がある割合や、人的要因(ミス、発見の遅れ、判断等誤り、操作上の誤り)のある割合は、中高生ともに約7割もあります。このため、ルールやマナーの遵守、ミスの発見・判断能力を磨くことが大切です。さらに歩車道の整備、条例の改正等、地域や社会全体で協力し合っていくことが重要になります」と説明。

また、全体の約2割が自転車(学生)側の加害事故だったことをふまえ、「事故の加害者になった場合、多額の損害賠償が必要となるケースもあるほか、その後の人生に精神面を含めて大きく影響します。昨今では自転車保険の義務化の自治体も多くなってきています。加害者になってしまったときのリスクも考えて自分が自転車保険に入っているか、保障内容は十分か、今一度確認するようにしましょう」とも述べています。

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