日本損害保険協会はこのほど最新の「全国交通事故多発交差点マップ」を公表。それにあわせて2020年に人身事故が多かった全国の交差点ワースト10を発表しました。ワースト1位は人身事故が22件起きた、大阪府の「法円坂(ほうえんざか)交差点」と福岡県の「針摺(はりすり)交差点」となりました。また、ワースト10の中に6つ大阪府内の交差点が入っており、「なぜこんなに入っているのでしょうか」とSNSでつぶやく人もいるようです。
人身事故の半数以上は交差点・交差点付近で発生しているといい、事故の防止・軽減を目的として全国の地方新聞社の協力を得ながら同マップが作成されています。都道府県ごとに交差点の特徴や事故類型の主な要因・予防策等を紹介しているほか、事故多発交差点の情報は、地図メーカーのカーナビデータにも採用されているそうです。
同マップによると、ワースト1位となった法円坂交差点は、東西の築港深江線と南北の赤川天王寺線が交差する大型の四差路(十字路)交差点。交差点西側には阪神高速の入出路や高架部に至る坂道があるなど車線が輻輳(ふくそう)しているほか、中央分離帯には阪神高速の橋脚が設置されているといいます。事故の種別は22件いずれも軽傷事故で、追突事故が11件と一番多くなっていました。
また、針摺交差点は南北に走る国道3号と東に向かう県道福岡日田線、西に向かう県道福岡筑紫野線の十字路に、北西に向かう県道福岡日田線が斜めに交差する変則五差路交差点。中央分離帯に高架道路の橋脚があり、交差道路及び対向車線に対する見通しが悪いといいます。事故の種別は22件いずれも軽傷事故で、右折直進の事故が12件と一番多くなっていました。
Twitterなどでは、身近な交差点が取り上げられていることに驚いた人たちから「(いつも通っていた場所は)そんなに危ない交差点だったのだな」「気をつけないと」といった声があがっています。一方で、ワースト10交差点の分布に地域的な偏りがあると感じる人もいて「名古屋がないのは謎」「ほぼ西日本というのは、何かあるのか?」といった指摘もありました。
マップの公表について同協会は「交通事故の低減について考えていただく際のヒントや事故防止に向けた交差点改良を検討する際の参考資料として、過去のデータとあわせてご活用ください」としています。