今月8日、滋賀県大津市の交差点で車同士が衝突、巻き込まれた保育園児らが死傷した悲惨な事故で、改めて便利な車は時に凶器になることを思い知らされた。
SNS上では各地の危険な運転がクローズアップされ、運転マナーの改善や、事故をなくそうという投稿が目立っている。各地の危険な運転とは「松本走り」「名古屋走り」「山梨ルール」「茨城ダッシュ」「伊予の早曲がり」「播磨道交法」などと言われるもので、いろいろな呼び名はあるが、いずれも危険運転のことだ。
そのうちの1つ「松本走り」の当地、長野県松本市では市民へ向けて広報誌で、「交通マナーを守り、思いやり、ゆずりあいの気持ちを持ちながら運転しましょう」と大々的に危険運転の根絶を啓発している。広報まつもとは、今年3月号で「危険 知ってますか?松本走り」というタイトルで2ページにわたり特集した。そのなかで “松本走り”とは「長野県松本市内で見られる、右折車優先の迷惑で危険な運転のことです。県外の方から『危険な運転』『マナーが悪い』と指摘されています」としている。
その特徴に「対向車がいるのに、強引に右折」「左折車にかぶせるように右折」「青信号と同時に、内回りに右折」「前が詰まっていても交差点に進入」「ウインカーを出さずに道路変更」と挙げている。特集ページを企画した同市の交通安全・都市交通課の担当者に企画した理由や、その思いを聞いた。
-3月号でいかに“松本走り”が危険であるかを特集しています。
「はい、これまでにもチラシ等で市民の皆さんに啓発活動を行ってきましたが、昨年の夏、観光に来た方から “松本走り”によって怖い思いをしたという投書をいただきました。3月号で特集したのは、新学期を控えた3月に新たに免許を取る方が多いと思ったからです」