3歳の女児が通園バスに取り残され、熱中症で亡くなった事故に日本中が心を痛めています。ネット上ではさまざまな意見が交わされ、「閉じ込められた車のクラクションを鳴らす」というアイデアが話題となり、小さい子にも分かるように、鳴らし方をイラストに描いた投稿も話題になりました。
しかし、クラクションを鳴らすにはかなりの力が必要であり、幼児には難しいかもしれません。そんななか、こよみ(@koyo_1213)さんが投稿したツイートが約18万のいいねを集める反響を集めています。
「バスの置き去り事故を踏まえて、年少の娘と緊急時車のクラクションを鳴らす訓練をしました。車のクラクションは子どもの力では鳴らせないので、登園時持っている水筒を当てて立って体重をかければ娘の力でも鳴らせました。緊急時周囲に異常を知らせることができます」(こよみさん @koyo_1213)
「水筒」は今すぐ出来る対策
現役の幼稚園教諭に取材したところ、園児が通園時に身につけているもので、クラクションを鳴らすために役立ちそうなものといえば、「水筒」と「傘」との回答でした。とくに毎日持参する「水筒」をテコにしてクラクションを鳴らし、周囲に知らせる、というこよみさんのアイデアはかなり現実的であり、今すぐどの子でも実践できる対策のひとつとして、非常に有効と考えられます。
「もともと私自身がクラクションを上手く鳴らせたことがなく、保育園から帰ってきた娘に、試しに手で押させてみましたが、鳴らせませんでした。角度のせいなのか、手だけだと上手く力が入らないようで、側にあった水筒なら?と思いつき、やらせてみました。娘の通う園では、園児は必ず各自が水筒を持参するので、とりあえずはこれでもいいかなと思いました」(こよみさん)
しかし、実際にクラクションを鳴らした際の娘さんの反応は、少し意外なものだったそうです。
「大きな音が出たことに少し驚いていました。鳴らせたね~と言うと、ホッとした様子でした。やはり大きな音が出るので、緊急時に初めて鳴らす時は、子どもは不安になるかも…とも思いました」(こよみさん)
なぜクラクションを鳴らすの?
実は普段、こよみさんは娘さんに、「運転席のボタンはすべて押してはいけない」と教えていました。幼い娘さんには、「クラクション」を鳴らす=叱られる、という認識だったのです。そこで、こよみさんは娘さんに、なぜクラクションを鳴らす必要があるのか?どんな時に鳴らさないといけないのか?を説明しました。
「一人で困った時や、お母さんや運転手さんが倒れた時に鳴らすように伝えました。すると娘はしきりに、『一人になりたくない、お母さん倒れちゃうの?』と不安そうに聞いてきました。抱っこして落ち着かせつつ、困ったと思った時に鳴らせるのはすごいこと、間違って鳴らしても怒ったりしないから、困ったら迷わず押すようにと伝えました。
怒られるかどうかはやはり重要だったようで、怒らない、とはっきり言ったことが安心材料になったようで、『わかった~』と言っていました。本人は家に戻ったら早々に遊び始めたので、理解してくれたかはわかりませんが、まだ小さいので、改まって話す特別なお話としてではなく、車に乗りながら楽しくおしゃべりする中で覚えていくものとして、少しずつ学んでもらおうと思います」(こよみさん)