迎えた保護犬はかわいさとワイルドさが同居していた 車に突進、マーキング…それでも「全てがかわいい」

松田 義人 松田 義人

 

ネグレクトを受けていたという沖縄出身・保護犬、うなじろう。プロフィールでは2~3歳のテリアミックスの一見かわいいワンコですが、ドッグトレーナーの資格を持つ現在の里親さんの家に迎え入れたときは毛がゴワゴワ、魚のような匂いを発していました。

里親さんによれば、その性格を一言で言い表すと「ワイルド」とのこと。かわいい見た目からは想像がつきませんが、どんなところが「ワイルド」なのでしょうか。

自動車に突進、あちこちへのマーキング

 

保護犬・うなじろうを迎える当日、里親さんは「どう接すれば良いだろうか」「パニックになったらどうしよう」と不安で仕方ありませんでした。

多くの保護犬同様、来たばかりの緊張やストレスから多飲多尿になり、マーキングも多かったうなじろう。トイレ問題はなんとかなるにしても、大変だったのが夜鳴き。夜中に吠えて、爪から血が出るまでハウス(クレート)をひっかくことが5日ほど続きました。

この間、里親さんは様々な馴れのトレーニングを行い、次第に慣れてきたうなじろうですが、本性が出てくると、かなりワイルドな動きを見せるようになったと言います。

散歩中、特に強く反応するのが自動車。走る自動車に突進していくこともありました。またマーキングも相変わらずで部屋だろうが外だろうが、あちこちにマーキング。なんと里親さんのファー付きのバッグにまでマーキング。里親さんによれば「マーキングが落ち着くまでは、床に真新しいものを置いてはいけないと学びました。特に毛足の長いものは要注意」と振り返ります。

鳥と格闘、モノにぶつかっても動じない

また、散歩中に鳥を見つけては追いかけはじめ、犬同士のプロレスのようなじゃれ合いを人間にそのまま求めてきたり、モノにぶつかったり足が溝に落ちてもさほど気にするわけでもなくとにかく我が道を行くうなじろう。また、多くの犬は、予測できない動きをする人間の子どもが苦手なものですが、うなじろうもご多分にもれず、子どもが大声を出した際などに興奮して吠えまくってしまうことも……。

しかし、そこはドッグトレーナーでもある里親さん冷静なしつけと愛情により、うなじろうは少しずつ家族の一員としてとけこんでいきました。

 

お父さんがご飯をあげようとすると、突然唸り出した

ただし、あるとき、同じ家族でもうなじろうが「唸る人」「唸らない人」と分けているようになりました。里親さんによれば、よく聞く「その人の立場を自分よりも上に見ている」「下に見ている」ということではないらしく、あくまでも「慣れ」によるところが大きいのではないかとのこと。

うなじろうが里親さんの家に来て1年半ほどが過ぎた頃、突然、お父さんがうなじろうから唸られるようになりました。特に唸るのが、お父さんがうなじろうにたまにご飯をあげるとき。サークルの中にあるうなじろうの食器をお父さんが取ってご飯をあげようとすると、激しく唸って吠えました。どうやらお父さんが「自分のご飯を狙っている」と、うなじろうに誤解されたようですが、このため、犬の世話は家族の誰かがずっと担当するのではなく、まんべんなく分担させ、犬を「味方である」と理解させることが大事だと里親さんは悟ったと言います。

うなじろうとの生活をベースに、犬を飼う上でのコツを紹介

 

このように、確かにワイルドなうなじろうですが、里親さんによれば、「その動作全てがかわいらしく、そして学ばされることの連続だ」と言います。ドッグトレーナーの里親さんでもそう言うのですから、犬のしつけに不慣れな人にとってはその喜びと学びはさらに多いかもしれません。

そういった人に向けて、うなじろうとの生活で見えてきたこと、しつけのコツなどを、里親さんはブログで実用的に紹介しています。保護犬に限らず、犬を飼っている人なら誰でも疑問に思っていることを丁寧に解説しているブログでもあります。もちろん、うなじろうのかわいい表情も見ることができますので、ぜひ一度チェックしてみてください。

ゆるっと保護犬とのくらし https://yuruttohogoken.com/dog-vs-dad/

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