リモートワークの浸透を受け、転居せずに地方企業に転職する事例が増えているといいます。株式会社ビズリーチが運営する転職サイト「ビズリーチ」の調査によると、同サイトに掲載されている「勤務地を問わない新規求人数」が、コロナ禍前と比べると11.3倍に上昇したことがわかったそうです。
調査は2019年10~12月と、2022年1~3月に同サイトに掲載された件数を比較して集計したといいます。
転職サイト「ビズリーチ」上において、2019年10~12月の「勤務地を問わない求人数」を1とすると、2022年1月~3月の「勤務地を問わない新規求人数」は、11.3倍に急増していることがわかりました。また、2021年10月~12月と比較すると増加率が鈍化していることから、コロナ禍を経て「リモートワーク可」が新たな求人の特徴として定着しつつあることが窺えたといいます。
また、求人傾向としては、IT企業のエンジニア職種が多くなっており、人材不足が深刻といわれるIT人材の採用において、企業がリモートワークの導入により採用条件を緩和し、居住地を問わず優秀な即戦力人材を採用しようとする動きが広がっていることが窺えたといいます。一方、IT企業のエンジニア職以外では、「オンラインの営業企画」「インサイドセールス」「採用・労務などの人事」などの求人が増加しており、リモートワークでも成果を発揮しやすいといわれる職種で多い傾向があるといいます。
リモートワークの浸透は地方にも波及しており、実際に、ビズリーチ上に「勤務地を問わない求人」を掲載することで、香川県の企業が東京都在住の即戦力人材を採用したり、山形県の企業が神奈川県在住の即戦力人材を採用したりするなど、首都圏の人材が居住地はそのままに地方の企業に転職し、活躍する事例が増えてきているそうです。
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なお、ビズリーチ会員690人を対象に「キャリア観や転職に対する意識」として2022年3月~4月に実施した調査の結果もあわせて公表されています。
まず、「今後もリモートワークを継続したいですか」と聞いたところ、「継続したい」(79.7%)と「どちらかといえば継続したい」(15.8%)を合わせると、95.5%の人が「継続したい」と回答。また、「リモートワークを継続する場合、希望する頻度」については、「週2~3日」(40.2%)、「週4日」(29.1%)、「週5日以上」(27.7%)」といった回答が上位に並びました。
続いて、「勤務地不問の求人(完全リモートワーク)であれば、会社の所在地にかかわらず前向きに検討しますか」と聞いたところ、「検討する」(49.3%)と「どちらかといえば検討する」(35.4%)を合わせると、84.7%の人が「検討する」と回答。コロナ禍でリモートワークという働き方が広がった結果、居住地にとらわれず転職先を検討するビジネスパーソンが多いことがわかったといいます。
調査結果を踏まえて同社は、「今後さらにビジネスパーソンの働き方が多様化していくことで、首都圏の人材が地方の魅力的な企業に目を向ける機会が増え、地域を超えた人材の流動化が進むと考えられます」と説明。
また、「獲得競争が激化しているIT人材は、特にリモートワークを希望するケースが多い印象もあるため、企業も採用基準を柔軟にし、採用を強化していることが窺えます。さらに、このような企業の動きは、ビジネスパーソンが居住地にとらわれず転職先を探せるなど、キャリアの選択肢を広げる後押しになっています」としており、「ご自身が住んでいる地域だけではなく、例えば地方の求人に目を向けることで、地方企業ならではのやりがいを感じられたり、その企業ならではの新たな経験を積むことができるのではないでしょうか」と述べています。
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【出典】
▽ビズリーチ調べ
https://www.bizreach.co.jp/