「就寝中に失われる水分は500ml」シーツっていつ洗えばいいの? メーカーに聞いた洗濯頻度とおすすめの寝具素材

門倉 早希 門倉 早希

暑さが猛威を振るう今日この頃。朝は暑さで目が覚め、体は汗ばみ、パジャマはすぐに洗濯に。では、シーツや枕カバーはどうしていますか。寝具類はかさばるうえに干す場所も取るので毎日洗うのは面倒ですが、衛生面を考えたらこまめに洗うべきと迷う人も多いはず。

大塚製薬に聞く「就寝中に失う水分量は?」

そもそも、夏は一体どれくらい寝汗をかいているんでしょうか。ポカリスエットなどを製造・販売する「大塚製薬」(東京都千代田区)に聞いたところ、「環境や睡眠時間によって異なりますが、室温約29℃で約8時間睡眠した場合に汗などで失われる水分量は約500mlと報告されています(大塚製薬 佐賀栄養製品研究所データ)(約8時間 約29℃:大塚製薬佐賀栄養製品研究所データ 2000)」

それだけ汗をかいていたら、毎日使っている寝具にも相当量の汗がしみ込んでいるはずです。それでは、夏は一体どれくらいの頻度でシーツや枕カバーを洗うべきなのでしょうか。また、洗うことができないマットレスはどうすれば? 寝具メーカーの「西川株式会社」(東京都中央区)に話を聞きました。

寝具メーカー西川「洗濯、できれば毎日がベスト」

ーーシーツや枕カバーはどれくらいの頻度で洗うべきなんでしょうか。

「人によって汗をかく量が違うので一概には言えませんが、できれば毎日がベストです。下着や肌着は毎日洗いますよね。それと同じで、シーツも毎日約8時間ほど肌に触れているものなので、毎日換えるのが理想的です。最低でも1週間に1回洗うのが望ましく、枕カバーは毎日、あるいは2日に1回は洗うのがベターです。ちなみに、冬も同様の頻度で洗うのが良いと思います」

ーー冬でも、ですか。

「冬も夏と同様、寝汗をかくので季節を問わず最低週に1回は洗うのが望ましいです」

ーー週1回ならなんとかなりそうです。

「シーツや枕カバーは洗い替えで何枚かあると便利ですね。速乾性に優れた生地など、乾きやすい素材のものを活用するのも良いと思います。

干し方としては、重なる面積が多いともちろん乾きにくいので、重なる部分が少なくなるよう斜めに干す、片方をあえて長めに垂れさせるなど工夫するのも手ですね。枕カバーはパンパンとよくはたいてから干すと良いと思います」

ーーでは、マットレスはどのようにお手入れを?

「素材によりお手入れ方法が異なるので、お使いの製品のお手入れ方法を見ていただくのがベストですが…、一例として弊社のウレタン製マットレスのお手入れ方法をご紹介します。

まず、ウレタン製マットレスは洗えません。マットレスが吸い込んだ湿気はマットレス内の下の方に溜まっていきます。よくベッドの下に除湿シートを入れるのはこのためです。その湿気をさらに逃がすため、ウレタン製マットレスに関してはマットレスを起こして壁に立てかける方法を推奨しています」

快眠におすすめの寝具、素材は?

ーー快眠におすすめのアイテムや素材は?

「夏はやはり、接触冷感素材でしょうか。寝ているときにひんやり冷たく感じるので気持ちがいいですよ。また、弊社の商品で『エアブリーズケット』というタオルケットがあるのですが、そちらもおすすめです。ハリ感があるのでタオルケットと体の間に隙間ができ、風通しがよくなるので涼しく感じると思います。あとは麻も天然の接触冷感素材と言われており、夏場は特に人気ですね」

ーーほかにも寝具にまつわるライフハックがあれば教えてください。

「タオルやタオルケットの使い始めは、繊維が硬くなることを防ぐため、柔軟剤を入れずに洗うことを推奨しています。その後は数回に1回程度、柔軟剤を入れて洗うのがおすすめです。逆に、アクリルやポリエステルの毛布類はものは、柔軟剤を使って洗えば静電気を抑えてくれますよ。

ただ、(柔軟剤を)過剰に入れると風合いが変わってしまうこともあるので、容量を守って使用してください。また、前提として洗濯不可のものもありますので、いずれも製品に記載されているお手入れ方法を確認してからおこなってくださいね。

あとは、夏場の掛布団はタオルケット、ガーゼケットなどがありますが、羽毛の肌掛けもおすすめです。というのも、羽毛は吸放湿性(湿気を吸って逃がす性能)に優れており、夏でも蒸れにくく快適に使っていただけます。いろいろな季節で重宝するのはないでしょうか」

◇ ◇

最初の話に戻りますが、大塚製薬の担当者によれば、「人は何もしなくても呼気などによって水分が失われています。不感蒸泄と呼ばれ、条件にもよりますが、健康な人で1日に約900ml程度が何もしなくても失われています」。

さらに、睡眠時も汗などにより水分が失われているといい、「夜間就寝中の呼吸や、発汗、排尿による水分損失は、早朝の血液粘度の上昇を引き起こし、脳梗塞などのリスクを高める可能性が示唆されています。就寝中の脱水およびそれによる早朝の健康リスクを考えると、寝る前と起床時どちらも水分補給をすることが望ましいです」とのこと。

水分を取るのに望ましいタイミングは、「『喉が渇いたな』と感じた時点では遅く、その時すでに体の水分が不足して脱水状態であると言われています。 また、前述のとおり気づかぬうちにカラダの水分が不足することもあるので、こまめに水分を摂ることが重要です。 水分を補給してから、体内に吸収され粘膜が潤うまでには時間がかかります。『起床時や睡眠前』はいつもより少し多めに水分補給することがお勧めです。

また汗をかいてナトリウムが失われたとき、水だけを飲む、身体の体液の濃度が薄まり、濃度を保つため水分を排出しようとするため、結果的に体液不足の状態が続き脱水の状態となります。そのため、汗をかいたときは、塩分と適度な糖分を含んだイオン飲料がお勧めです」。

西川:https://www.nishikawa1566.com/

大塚製薬:https://www.otsuka.co.jp/

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