コロナ禍で「中古バイク」価格が高騰!? 平均価格は1年で「5万6165円」上昇

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コロナ禍にともない、国内の新車バイクの出荷台数は上昇の傾向を見せているといいますが、中古バイクの価格も高騰しているといいます。株式会社バイク王&カンパニーが運営する「Bike Life Lab supported by バイク王」が2022年6月に発表した「過去10年間のオークション相場から見る中古バイク価格」の調査レポートによると、国内中古バイクの2020年の平均価格は「18万1187円」であったのに対して、2021年では「23万7352円」となり、平均価格は「5万6165円」上昇したといいます。

2021年の国内におけるバイクの新車出荷台数は、コロナ禍の長期化による物流の混乱などさまざまな制約が発生していたにもかかわらず、全排気量で前年越えを果たし、全体では37万8720台(出所:日本自動車工業会)と前年比15.3%のプラスとなり、減少傾向にあった出荷台数は2015年の水準にまで回復していたそうです。

一方で、年間10万台以上の買取台数を誇るバイク王独自の集計による、国内の中古バイク(すべての排気量を合計)オークション相場の推移を見ると、2020年の平均価格が「18万1187円」に対し、2021年の平均価格は「23万7352円」と、平均価格は「5万6165円」上昇していました。

「新車の供給が追い付けば中古価格が安定する」という見方もありましたが、2021年は新車出荷台数がコロナ前の新車出荷台数までに回復したにも関わらず、依然として中古価格は依然上昇傾向が続いているといいます。

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中古バイクのオークション相場は2020年7月より上昇し、2021年に入るとさらに上昇を続けているといいます。この中古バイクの価格上昇について、同社は以下のように分析しています。

【要因その1:コロナ禍により、ライダーの意識に変化が!?】

日本自動車工業会の「2021年度二輪車市場動向調査」の中でまとめられた「ライダーの意識調査」によれば、コロナ禍によってバイクの需要が増加した要因は、「三密を避けるのに有効な移動手段という認識が見られる」ということです。

また、軽二輪・小型二輪の購入者は、新しい生活様式への変化に伴いライフスタイルを見直した結果二輪車を選び、自粛の風潮の中でも一人で楽しめる、そしてレジャーとしての色合いが強いソロツーリングのニーズが高まっている、という変化が見て取れたようです。コロナ禍という社会背景において、時勢に合っているバイクという趣味があらためて見直され、需要が高まりを見せたと考えることができます。

【要因その2:バイクのような一人で楽しめる趣味が追い風に!?】

2019年より自宅で過ごす事が多くなり、自宅での趣味を模索する動き、いわゆる「おうち時間」を模索する動きが出てきました。芸能人・著名人や従来のインフルエンサーの人数や投稿頻度も増加していると考えられ、バイクというジャンルにおいても、YouTubeなどで親和性の高い「一人旅」や「アウトドア」といったテーマの動画や、趣味性が高い根強い人気の旧車を扱うチャンネルなどの視聴時間が伸びたと思われます。

こうした動画視聴の機会が増えた事で、ライダーはバイクに関して知識を深め、バイクの持つ楽しさや多様性にあらためて触れることになります。そして、好奇心を刺激されたライダーは、結果としてバイクに乗り始め、バイク市場全体の需要増につながったという見方もできるのではないでしょうか。

【要因その3:良い状態の中古車は年々減少する!?】

需要の増加に伴って、中古車の供給数の増加が伴えば中古価格の安定につながりますが、中古車は、年数の経過とともに経年劣化が進むため、良い状態を維持できるバイクは年々減少していきます。そのため、整備が必要となるバイクが増え、とりわけ高度な整備技術を要し、また部品の確保が困難な絶版車のバイクは最終的な小売価格が上昇する傾向があります。こうして中古車は全体として希少性が高まり、整備コストもかかってくるため価格が上昇すると考えることができます。

直近のデータでは、2022年の2月から4月は価格が一旦落ち着いたものの、5月には再度2021年ピークの27万円台まで回復しました。2月~4月といえば、ウクライナ情勢により、ロシア向けの輸出規制等で海外輸出バイヤーの買い控えが発生し、一時的にオークション相場が下落しましたが、最近の円安によって海外輸出向けのバイヤーによる仕入があらためて活性化しているようです。また、国内においてもこれからのバイクシーズンに向けて需要が高まる時期になっており、バイクの中古車市場における活況はしばらく継続するのではないでしょうか。

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なお同社が運営する「バイク未来総研」所長の宮城光氏は、今回の結果について以下のようなコメントを寄せています。

「この数年のバイクの価格上昇は、改めて前段でのデータ検証で明確になりましたね。元々、近年の国内バイクのマーケットでは、グローバルモデル展開として250ccクラスを中心とした若い世代へのタッチポイントを増やしながら、確実に新規ユーザーへの誘い込みを行ってきました。そこへ、今回のコロナ禍で若い世代にも時間を有効利用できるチャンスが増え、より多くバイクと対面する時間が増えた事もバイクブームの大きなトリガーとなったのではないかと感じます。距離を走り、一人でも楽しめる性質を持つバイクは、マーケットに存在する個性的な車両(中古市場)へも、選択肢が広がるのは当然の流れとも言えます。一方で世の動きもテレワーク、オンライン会議などネットを中心とした動きへとシフトチェンジしたのは私自身もそうでした。そしてネット情報に刺激され、郊外でのリアルなリフレッシュを求めるという世相が複雑に重なった結果なのではないでしょうか」

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