まるで現地を歩いているような感覚で、360度のパノラマ写真を見ることができるGoogleマップの機能、ストリートビュー。世界各所の風景が公開されているため、「死んだおじいちゃんが写ってた」「事件現場を捉えていた」など衝撃話題の絶えないストリートビューだが、今回はちょっと変わった形で話題になっているようだ。
それはなんと「天国に繋がる道」の存在。ストリートビューの道順を示す青い線が途中で突然空に向かって伸びている謎のスポットが発見されたのだ。そのスポットは、緑豊かで歴史ある神社や城跡のある神戸市北区道場町、県道327号線上にある。JR福知山線・道場駅からおおよそ徒歩15分の地点だ。この場所で一体何が起こっているのだろうか?現地取材をおこなった。
道場駅前には、お店はヤマザキショップが一軒あるだけ。山に囲まれた小さな集落で、想像以上にのどかな場所だった。武庫川沿いに東に進み、大きなカーブを曲がって新名神高速道と交差するあたりが話題のスポットだ。
現場まであと約100m。高まる気持ちを抑えながら進んでいくと、道端に看板を発見した。
地主の名前、電話番号とともに
「この道路は一部私有地である 一般車両及び新名神関係車両以外の大型車両の敷地内への進入・通行を平成25年11月1日より禁ずる。」
と書かれている。
この先は道幅がやや狭くなっていたがほどなく現場に到着。
この先もまだ道は続いているのだが、ストリートビューでは、ここから先の青い線は天上に向かって伸びており、それをたどると新名神高速道路上に繋がってしまう。なぜこのような現象が起こっているのだろうか?
この先の道についてお話を聞くべく、看板に記載されていた地主の電話番号に掛けてみたが、情報が古かったのか別人物に繋がってしまった。現場に一番近い民家の住民に聞くと、この村にはそんな名前の人はいないとのこと。住民は「ここら辺が話題になってるなんて、びっくりだね」と笑いながら話してくれた。
また、何人かの通行人に聞いたところ、この道は、ダムマニアの間で"日本一美しい"と言われる「千苅ダム」に繋がっており、周辺はロードバイク乗りに人気のスポットになっているということ。廃線跡や温泉など、観光スポットがある武田尾駅に繋がる道でもあり、一般車両の通行もあるらしい。
交通ルートとしてGoogleマップで検索する人も多少いるはずだが、なぜストリートビュー上では繋がっていないのか…おそらくあの看板を見てストリートビュー撮影車が途中で撮影を断念したのだろうが、なぜそのポイントからあえて新名神にストリートビューを繋げたのかまでは今回の取材では判明しなかった。
現場は、高くそびえる新名神高速の高架がなんだか神秘的で、エモい気持ちになれる場所だった。今度来た時は噂のダムと廃線跡を見に来ようかな、なんて考えつつ帰路についた。読者の皆さまがGoogleマップ上で不思議なスポットを見つけた際はぜひご一報いただきたい。