機械修復を趣味とする男性が、ちょうど100年前に製造され動かなくなっていた米国製の農業用石油発動機を修復した。本体とシリンダーヘッドの間のパッキンを銅板で自作するなど約1カ月かかったといい「レトロな機械の魅力を知ってほしい」と話している。
京都府亀岡市吉川町の上島滋之さん(79)。長年オートバイを愛好していたが2016年、市文化資料館に保管されていた発動機を修復、展示したのをきっかけに、かつて脱穀機やポンプの動力として身近に使われていた発動機の修復に没頭。これまでに、依頼された物も含め15台ほどの発動機を修復してきた。
今回は1922年に米ウィッテ社が製造した2馬力の発動機。上島さんが修復した中では最も古いタイプという。1カ月前に知人から動かない状態で預かり、全ての部品を分解。すすや油で汚れていた内部を洗浄し、破損したパッキンなどの部品は自作、失われていた燃料タンクはとりあえず酒瓶で代用するなどして、再び機械に命を吹き込んだ。
上島さんは「エンジンがかかった時が、何とも言えず楽しい。年齢と関係なくできる趣味です」と笑う。全てを直せるわけではないが、要望があれば修復を請け負うという。