難読地名「猫三昧」は「ねこざんまい」じゃない?スーパー猫の日のゼンリン渾身「猫地名マップ」が凄すぎる!

広畑 千春 広畑 千春

2が6つ並んだスーパー猫の日、各企業の公式ツイッターアカウントが「猫ジャック」される中、住宅地図で知られる「ゼンリン」(本社:福岡県北九州市)が、培ってきた情報量を存分に生かした驚きの「猫地名マップ」を投稿し、「こんなにあるの?」「欲しい!」と話題を呼んでいます。

日付が変わった2月22日午前0時、「2/22になったにゃん!」とアカウント名まで「株式会社ニャンリン」に。添付された全国地図には猫地名を示す猫マークがずらりと並び「北は青森から、南は宮崎まで全国で134か所!」。「猫沢」(17件)「猫塚」(10件)「猫山」(7件)の順に多く、福島県を中心とした東北地方や愛知県で「『ネコ密度』がやたら高いにゃ」という考察も添えられました。ユーザーらからは次々と近くの猫地名についての情報が寄せられる一方で、地名ゼロだった北海道や神奈川県民からは「にゃい…」と悲しみのコメントも。

2018年から公式ツイッターを担当しているという、中の人(30代)に聞きました。

―えらいものを作りましたね。

「ありがとうございます。猫の日ツイートは、各社公式アカウントの先人の皆さまが名前を変えるなどしてバズっておられるのを常々拝見しておりました。地図会社の弊社がやるなら、やはり地名か地図だろう、と。そこで『猫』を含む地名を抽出してマップにしました」

―にしても、途方もない時間じゃ…

「いえ、思いついたのは先週です。作業? 地図情報会社ですので、47都道府県の小字までの地名情報のデータベースがあるので、そのツールを使って、ポンっと」

―え、一瞬?

「一瞬ですね(笑)。その後、国土地理院の地図に弊社が持っている緯度経度データを合わせてマップ化しました。あ、ですので、地名ではない名勝や史跡名は、たとえ有名でも今回のマップには反映されていないんです。兵庫県豊岡市の『猫崎半島』などもその一例ですね」

―愛知や東北が多いんですね。

「もともと愛知県や福島県は、全国でも小字が多く残っている地域なんです。ですので多くなるのは想像していたのですが、意外だったのは福島県以外の東北地方にも広く分布していることでした。もしかすると山の麓の地域でもとは『根子』といっていたところが、時代が下って『猫』になったのかもしれませんね」

◇  ◇

そんな中の人が今年イチオシの猫地名はというと…その名も「猫三昧」。

「ねこざんまい」と読みたいところですが、本当の読み方は「ねこさみ」!!兵庫県明石市大久保町松陰の字名だといいます。近くにある創建350年の東光寺の14代目住職、本多正光さん(42)は「そうした小字名があるのは聞いたことがありますが…」としつつ、由来は分からないとのこと。周辺は旧街道沿いでお寺も多くあり、東開地や西開地などの地名も。恐らく豊かな農村地帯だったとみられますが、今は宅地化され「地元でも小字名までを知る人はほとんどいない」と話します。

少し離れた同市魚住町には猫谷という小字も。どんな由来があるのか…これは来年の猫の日に向けて、鋭意調査する所存です。

ちなみに、ニャンリンいえゼンリンのツイートには「詳しい地名を知りたい」という声も多く寄せられており、中の人曰く「来年以降の展開についても構想中」だそう。お近くの猫地名やその由来をご存じの方がいらしたら、ぜひ教えてください!

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