「睡眠時無呼吸症候群」と「脳卒中」の深い関係性 対策の方法は? 医師が解説「就寝前には…」

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 寝ている間に呼吸が止まってしまうという、睡眠時無呼吸症候群。さまざまな病気を引き起こす原因とも考えられていますが、実は、脳卒中にも繋がるとされています。詳しい症状や治療法などについて、吉田病院付属脳血管研究所(神戸市兵庫区)の吉田泰久院長に詳しく聞きました。

――どういった症状を睡眠時無呼吸症候群と呼ぶのですか?

有名な特徴として、夜の間に十分な睡眠が取れていないことから、昼間に居眠りをしてしまうという点が挙げられます。原因としては、夜間の睡眠時にいびきが詰まることで呼吸ができなくなってしまい、酸欠により眠りが浅くなってしまうからだと考えられています。実は、いびきが詰まっているのと同時に血圧の上昇と不整脈が起こっていることから、睡眠時無呼吸症候群は万病の元と言われているんです。この症状を繰り返すことで血管が傷んでしまい、結果的に脳卒中を引き起こす原因の1つと考えられています。

――睡眠時無呼吸症候群のための検査はあるのでしょうか?
指の先に酸素濃度を測る装置を付けて睡眠時の呼吸の動きを見ることで、呼吸が止まっている時間があるかどうかを判定する専門検査があります。検査によって睡眠時無呼吸症候群だと診断されると、最終的には強制的に呼吸を促す機械をつけて睡眠を取っていただきます。

――治療はどのように行われるのでしょうか?
この症状は喉周りが太っている場合に起こりやすいとされているので、まずは喉周りも含めて減量することが大切です。また、上を向いている姿勢の時に症状が出やすいため、いびきをかいている人は横を向いて眠ることを心がけてください。さらに、寝酒や睡眠薬を飲むと筋肉がゆるみ、症状が起こりやすくなってしまうため、できるだけ就寝前の摂取は避けてほしいですね。先ほど挙げた器具を使用した療法もありますが、まずは呼吸器科の専門家の元で検査を受け、ご自身の症状についてしっかりと判定していただくのが重要です。

◆吉田泰久 社会医療法人榮昌会 吉田病院 / 理事長兼院長 /
1952年12月の開設以来70年近くにわたり、神戸市の救急医療のなかでも脳卒中患者の診療を主に担い、急性期から回復期、在宅まで一貫した脳卒中治療を提供している。
診療科は、脳神経外科、脳神経内科、内科、循環器内科、リハビリテーション科

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