今回は、医学から離れて地震学のお話を少し。8月22日の水曜日、午前7時30分ごろ、南太平洋のオーストラリア東のバヌアツで、M(マグニチュード)6・7の地震がありました。
過去にさかのぼって、なぜかバヌアツでM6以上の地震が起きると、高い頻度で、2週間以内に日本でも、同等もしくはそれ以上の地震が発生しており、“業界”ではまことしやかに「バヌアツの法則」と言われています。太平洋プレートの関係らしく、統計的には、どうやらバヌアツと日本には、6~7割の確率で、地震が連動する関係があるようです。
ちなみに、2016年4月3日にバヌアツでM6・9の地震が発生。同14日に、あの熊本大地震M7・3が発生しています。この記事が紙面に掲載されるころに何も起こらないことを祈るばかりです。でも気をつけるに越したことはないので、どうぞご注意ください。
ところでマグニチュードという言葉、みなさんよく耳にされると思いますが、マグニチュードは地震が発するエネルギーの大きさを対数で表した指標値で、揺れの大きさを表す震度とは異なります。ややこしい計算式は置いといて、マグニチュードが0・2大きくなると、地震のエネルギーは2倍になると覚えておいてください。ですから1増えると、2の5乗=32倍大きくなるわけです。
広島型原爆のエネルギーは、マグニチュード換算で6・1と計算されています。阪神淡路大震災が7・3でしたから、その64倍。東日本大震災は9・0でしたので、阪神淡路と比較すると、さらに724倍大きいエネルギーだったことになります。自然の力は、恐ろしいものですね。