姫路競馬のパドックボードが「クセが強い」と話題 代々伝わる手書きフォント、仕事場に潜入

N.Ritsu N.Ritsu

1月12日に22年の姫路競馬が開幕し、7週21日間の開催がスタートしました。姫路競馬の名物となっているパドックの手書きボードも始動。そのだメール☆ひめじメール(@sonoda_himeji)のツイッターでは写真がアップされ「姫路名物パドックボードは今年も健在!」と紹介されています。

 パドックボードの馬名と馬体重は、職人さんによって1文字1文字丁寧に手書きされています。競馬ファンの間では以前から話題となっており、今年も「味があって最高」「字のクセ強っ」「はじめてコレ見たときは感動した」「このフォントがたまんねぇんだよ」「古風でいいですね」などの反響を呼んでいます。

 そこで園田競馬(尼崎市)と姫路競馬を運営する兵庫県競馬組合の広報担当者の方に案内してもらい、パドック内の建物にある職人さんの仕事場を訪問させてもらいました。3人の女性が水で濡らしたチョークを使って馬名と馬体重を黒板に書いています。書き終えると声に出してチェックをして、パドックに向けて黒板を回転させます。

――ファンの間で名物となっています。反響を見てどうですか?
職人Bさん「ツイッターを見ました。おもしろいよね」
職人Aさん「(手書きボードを)あんまり外から見たことないからちょっと不思議な感じではありますね」

――佐賀競馬、水沢競馬(岩手県)も手書きボードのようです。姫路競馬ならではの魅力は何ですか?
A「字体がおかしいですよね(笑)」
B「クセが(笑)」
A「クセが強すぎて…」

 姫路競馬は49年にオープン。洪水対策の工事などで12年8月30日を最後にレースを休止し、20年1月15日に約7年半ぶりに再開しました。再開の際は黒板を新しくしたそうですが、このフォントはおそらく昔から同じもののようです。
広報「代々受け継がれてるんですよね」
A「来たときからクセがもう…」

 笑いながら話していると、職人Cさんが「これもクセがある」と、先端に鈴とクリップがついた紐を見せてくれました。馬体重が書かれた紙を下の階から運ぶ手段なのだとか。
広報「量り終わったら紙をここにつけて、(紐を)引き上げます」
A「下(の階)まではFAXで、最後はここで昭和のような感じになります」
そのレトロさに驚いていると、職人さんたちが次のレースの文字を書き始め、すらすらと作業をしていきます。

――うまく書くコツや意識していることは?
B「マスに大きく書くことです」
A「うっすらと、よく見たらマスがあるんで、均等に書けるように。あとはもう、思い切りです」

――もしかして前職で文字を書く仕事をしていましたか?
A「全然、全然(笑)みんな全然。ここで初めて」

――開催日以外は何をしているのですか?
A「また別のお仕事をしたりしなかったりです(笑)」

 この日の職人さんの出勤は午前9時。出馬表を確認したり、馬名と馬体重を書いたり、騎手名のパネルをつけたり外したりと、いろいろな作業を繰り返します。最終12Rの発走時刻は午後4時30分です。

――仕事が終わるのはいつですか?
A「レースが終わる前くらいに全部ここを引っ込めて、全部元に戻して、次の日か来週に備える。それの繰り返しです」

 職人さんたちが心を込めて丁寧に手書きしているパドックボード。これからも名物としてファンを楽しませてくれるでしょう。姫路競馬は1月25~27日、2月1~3、8~10、15~17、22~24日に開催予定。2月3日には白鷺賞、同23日には兵庫ウインターカップの重賞レースが行われる予定です。

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