使い終わった使い捨てカイロ、燃えるゴミ?燃えないゴミ? 自治体ごとに判断ばらばら→メーカーに見解尋ねた 

伊藤 大介 伊藤 大介

寒波が襲来し、使い捨てカイロで手を温めている人が増えていることでしょう。さて、この使い捨てカイロ、燃えるゴミでしょうか、燃えないゴミでしょうか?なんとなくゴミ箱に捨てていた人も多いのではないでしょうか。実はカイロの捨て方、自治体によってまちまちです。首都圏では横浜市や千葉市は燃えるゴミ、東京都世田谷区や渋谷区は燃えないゴミ。関西では大阪市、京都市、奈良市は燃えるゴミですが、神戸市は燃えないゴミです。なぜ自治体によって分類が異なるのでしょうか。自治体やカイロ製造企業に聞きました。

燃やす派「燃やせば焼却灰が減る」

カイロメーカー桐灰化学を吸収合併した小林製薬(大阪市)のホームページによると、カイロの原料の半分以上が鉄粉です。鉄粉が酸化する際の発熱が、カイロが熱を持つ仕組みといい、鉄粉以外には雲母系の原鉱石から作られる人工用土「バーミキュライト」、活性炭が入っており、不織布で包まれています。

まず、燃やす派の自治体に話を聞きました。370万人が住む横浜市は「焼却処分できますから」と説明します。では燃え残った鉄粉はどうなるのか?「灰になって埋め立てます。燃えた方が埋め立てる灰の量は減りますから」。うーん、なるほど。

寒さの厳しい北海道札幌市も燃やす派。担当者は「ずっと前からそうなので、燃やす理由は分かりません」としつつ、「少しでもゴミを減らしたいとか、未使用品を埋め立てると発火するリスクを回避したい、というのもあるかもしれません」と言います。

燃やさない派「金属の再利用に役立てる」

では、燃えない派の意見も聞いてみましょう。東京23区で最多の100万人近い人口を抱える世田谷区は「鉄粉が入っているから不燃ゴミです」と説明します。23区の可燃、不燃ごみの処理を担う「東京二十三区清掃一部事務組合」によると、鉄など金属を含んだ不燃ゴミは破砕処理した後、磁力で金属を選別、回収し、民間企業に売って再利用に生かしているそうです。そして、燃えるゴミはあらためて焼却処分されます。東京二十三区清掃一部事務組合は「金属のリサイクルや埋め立て処分スペースの削減につながる」と不燃ごみに分類するメリットを挙げます。神戸市も同様の理由で不燃ゴミとしています。

  ◇   ◇

カイロを製造する小林製薬は「自治体の分類に従って処分してほしい。こちらから燃えるゴミか燃えないゴミかを申し上げることはできない」としています。取材してみると、燃やす派、燃やさない派、どちらにもそれなりの理由がありました。捨て方が気になった人は、住んでいる自治体のホームページで処分法を調べてみては。

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