シングルマザーとは離婚や死別・未婚などによって配偶者がいない状態で子どもを育てている母親のことです。家族と同居の有無にも違いはありますが、多くのシングルマザーは仕事と家事・育児も日々一人でこなしています。そんなシングルマザーが仕事を選ぶときに基準にすることとは何でしょうか? 未就学児のお子さんを育てているサキさん(30代・パート)のケースをご紹介します。
家庭内暴力から離婚を決意
結婚前は美容師をしていたサキさん。結婚後、ほどなくして妊娠。サキさんは子どもが幼稚園に入園するまでは自分が育てたいとの希望から、美容師を辞めたそうです。女の子の出産後は専業主婦として夫を支えながらも家事や育児に奮闘していました。
しかし、だんだんと帰宅が遅くなっていった夫に憤りを感じ、ある日そのことについて問い詰めたそうです。そのとき夫はいままで聞いたこともない大きさで声を荒げ、それ以来家庭内暴力が始まったそうです。その生活は数カ月も続き、「このままじゃ娘に手をあげられてまうかも」と離婚を決意。話し合いはこじれたものの無事離婚。アパートを借り、保育園に通う娘さんと引っ越すことにしたそうです。
シングルマザーとなってからの就職活動
シングルマザーになったサキさんは、仕事を探すことに。しかし、保育園児を抱えての復職は難航したと言います。
「せっかく資格があるのに、美容師に復職しなかったの?」と聞くと、シングルマザーで美容師に復職するのはなかなか難しかったとのこと。現場を離れていた分、新しい技術を学び直す必要があり、子育てをしながら練習時間を割くことは困難で、休日が娘と合わないとも悔しそうに話してくれました。「美容師はもう少し勉強時間が取れるようになったときに考えることにしたの。いまは子どもが大事だから」とサキさんは話していました。
サキさんがシングルマザーとして大事にしたのは休日と就業時間だったそうです。保育園のお休みや、行事に対応できる土日祝日が休みであることと、保育園のお迎えに間に合うような時間での就業先を探し働くことにしました。しかし、その分諦めなくてはならないのが収入だったと言います。
「子どもが小さいうちは正社員で働くことはなかなか難しいんです。でも、子どもの成長を一番感じるのはいまだから」と母親の顔で話すサキさん。現在の収入はパートのため、社会保険に加入しているものの手取り12万円程度。足りない分の収入はどうしてるのか?と聞くと、日々の節約や児童手当・児童扶養手当などの受給でなんとかやりくりしているそうです。
「娘も来年は一年生。これからどんどん教育費もかかってくるけどその分私も動きやすくなっていくと思うんです。今度は時間ではなく、収入も考えながらの転職活動になると思います」そう話すサキさん。シングルマザーの就職活動は子どもの年齢や環境によって変化し続けるのだなと感じました。