高校3年生になると、卒業後の進路について悩まれる方も多いのではないでしょうか。その中でもとくに大学受験は、志望大学を決定するために高校の先生と何度も話し合いを重ねることも珍しくありません。しかし、関東在住の大学2年生・Tさんは、高校3年生のときの進路指導に大きな矛盾を感じたと話してくれました。
「積極的に挑戦するように」と言われていたのに…
Tさんには将来なりたい職業があります。そのためには大学4年次に国家資格試験を受験する必要があるため、その要件を満たすことができる学部への進学を希望していました。そして両親とも相談の上、学力や経済的な面を考慮し志望大学を決めました。そして、Tさんは高校の担任の先生と面談を行い、志望大学と同時に一般入試よりも先に実施される「総合型選抜」での受験を考えていることを伝えました。
総合型選抜で受験しようと思ったきっかけは先生が3年生全員に話した受験説明会でした。志望大学が明確であるならば、一般入試だけではなく総合型選抜を利用することで、受験するチャンスが増えるため、積極的に挑戦するように先生から話があったのです。
しかし、Tさんが面談で総合型選抜でも受験したいと先生に伝えると、思わぬ言葉が返ってきました。
「無理だろ。書類とかも揃えなくてはいけないし。そもそも合格者数も少ない。小論文に費やす時間もムダ。あきらめたら?学校では書類を書かない」と言われたのです。
「学校にもプライドがあるんだよ」
Tさんが進路説明会で「総合型選抜も積極的に挑戦するように」と言われたと指摘すると、先生は「学校としては確実に受かると思う人でなければ総合型選抜の書類を用意するつもりはない」と言います。
誰のためにそうした判断をしているのかと聞くと「この学校はそういう学校。これまで誰も行ったことがない大学を志望するなら、どれくらいの成績で合格できるのかを判断する材料になるから、書類を書くよ」とも言われ、納得できませんでした。
Tさんは先生に言われたことを友達に話すと、周りの友達も同じようなことを言われていました。
Tさんと友達は先生に再度、書類を記載してほしいと伝えに行きました。すると先生は「学校にもプライドがあるんだよ。落ちるとわかっている生徒を受けさせるわけにいかない」と取り合ってもらえませんでした。
それでも何度も頼みにいったTさんは書類をどうにか書いてもらい、総合型選抜で受験することができました。
結果を見て…先生の反応は
先生に受からないと言われていたTさんですが、見事合格することができました。その結果を先生に伝えたところ、先生からは「おめでとう。よかったな」との言葉はあったものの、それ以上何も言葉はありませんでした。
Tさんは現役の受験生たちに「進路を相談する場で、矛盾を感じたら自分が納得いくまで話し合ってほしい」と力強く訴えます。また学校に対しては、生徒の意思を尊重して、受験の選択肢を狭めないでほしいと述べていました。生徒たちが納得できない理由で、挑戦する機会を奪うことだけは避けてほしいと切に願います。