「英」この名字、読めますか? すぐれた「美しい花」をあらわす文字 浮世絵好きな人なら読めるかも

日本の難読名字

森岡 浩 森岡 浩

「英」…この名字、読めますか? 姓氏研究家・森岡浩氏が日本人の難読名字を紹介します。

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「英」一文字の名字。通常だと「えい」としか読めないが、これで「はなぶさ」と読むかなりの難読名字だ。

ただし、江戸時代に花鳥画や風景画で知られた英一蝶(はなぶさ・いっちょう)という有名な絵師がおり、その一派を英(はなぶさ)派と言ったので、浮世絵の好きな人だと、読める人も多いはず。

そもそも、「はなぶさ」とは房のようになって咲く花のことで、藤の花などに使われるという。

一方、「英」という漢字は「すぐれている」という意味で使うが、本来は「美しい花」という意味があることから、「はなぶさ」に「英」という漢字をあてたものだ。英一蝶は亀山藩医の多賀家に生まれ、もともとは多賀朝湖という名前で活動していた。しかし罪を得て三宅島に流され、のちに赦免されて江戸に戻った際に英一蝶と名を改めている。

なお、一般的には「はなぶさ」は「花房」と書くことが多い。

現在は四国東部や石川県でみられる。

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