被害総額60億円超か―4人逮捕の仮想通貨詐欺事件 その手口は「ある種、洗脳」小川泰平氏が指摘

小川 泰平 小川 泰平

 人工知能(AI)を用いた仮想通貨事業への投資名目で現金をだまし取った詐欺の疑いで、愛知県警が男4人を逮捕したことを受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は16日、当サイトの取材に対し、「洗脳のような感じです」とその手口を分析した。

 逮捕されたのは会社役員の石田祥司容疑者(59)、橋谷田拓也容疑者(46)、山下幸弘容疑者(61)、勧誘役の戸島正道容疑者(52)。4人の逮捕容疑は、2017年8月、名古屋市内で男女2人に対し、「OZ(オズ)プロジェクト」と呼ばれる架空の暗号資産事業への投資話を持ち掛け、現金約218万円をだまし取った疑い。捜査関係者によると、高配当をうたった投資話で、全国の2万人近くから計60億円超を集めた疑いがある。県警は複数の関係先を家宅捜索し、運用実態やグループ内の指示系統など実態解明を急いでいる。

 小川氏は「20億円以上の詐欺容疑で逃亡先のタイで逮捕された聖子ちゃんカットの女がいたが、その時に被害に遭った方も今回、被害に遭っています」と指摘。「こういうグループのリーダー格の話を聞くと『立て板に水』のような説明をします。簡単に話せばいいことを難しく話します」と説明した。

 さらに、小川氏は「以前は、つなぎ融資という分かりづらいものだった。今回は仮装通貨という意外と分かりやすいもので、しかも、価格が急騰していたニュース等もあり、もうかった話も実際にあり、信じてしまったと考えられる。ただ当時は仮想通貨の詳細なルールや、やり方を知らない者も多く、横文字がやたらと多く、ただ、『もうかるんならやってみよう』という人を言葉巧みに勧誘して、ある種、『洗脳』のような感じにして、お客から別のお客を紹介してもらうという手口を使っている」と解説した。

 ビットコインが注目されるなど、日本で「仮想通貨元年」と呼ばれた年が2017年。その頃から、一獲千金を求める人を狙った仮想通貨をめぐる詐欺事件が起きている。小川氏は「うまい話には裏があるということを分かっていただきたい」と注意喚起した。

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース