有名芸能人も巻き込まれた10億円規模の投資トラブルが発生している。渦中の投資会社社長を直撃した元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は1日、デイリースポーツの取材に対し、その実態を証言した。
トラブルを起こした投資ファンド会社の社長は「元大手証券会社の支店長を3か所務め、最下位の支店をトップにした」と豪語し、「月に1・5~5%、年20%前後、30%もある」などの高配当をうたって、被害者を信頼させていたという。
小川氏が取材した被害者は「合計1700万円を出し、450万円の配当は受け取ったものの1年半前から配当が止まり、電話をすると『明日、振り込む』と言われたが振り込まれなかった」と憤る。
また、別の被害者は民事裁判の後で「元本を返してもらえるという約束でいいですね」と確認し、社長が「そうですね」と同意した肉声を録音していたが、この社長は小川氏の確認に対して「元本保証を言ったことは絶対にありません」と否定。同社のパンフレットにも「元本が欠損する場合もございます」と書かれており、顧客とのやり取りの中で虚偽の返答をしていた疑いもある。
現時点で100人以上の顧客から10億円以上を集め、2017年頃から配当がストップしているという。
社長は取材に対して130人に8億円の未払いがあり、その中には2人の著名な男性芸能人が含まれていることを明かした。1人は3000万円を投資したという俳優で、500万円が未払いだと言う。さらにもう1人について、社長は「大変有名な方がおられます。●●くんです」と人気アイドルグループのメンバーの名前を出し、「●●くんは500万円を出資し、450万円が未払いです。(所属)事務所は知らないと思います」と打ち明けた。
社長は小川氏の問いに対して「この投資会社は10年続いています。当初はすごく順調で、かなりもうかった人も大勢います。もうかった人から友人や知り合いを紹介してもらいながら口こみでお客が増えました」としたが、「今は実質上、破綻しました。一昨年にブラジルの外貨建てのリスクの高い投資をしていたが、外貨の大暴落で資金が底をついた」と釈明。一昨年、出資者のうち3人が損害賠償を求めて提訴したが、1800万円の賠償金のうち6万円しか返していないという。