千葉・茂原の住宅から侵入男が逃走「泥棒目的ではない可能性」小川泰平氏が指摘&対策を解説

小川 泰平 小川 泰平

 千葉県茂原市の住宅に刃物を持った男が25日に侵入し、住民に見つかって逃走した事件を受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は26日、現地を取材し、当サイトに対して「泥棒目的ではない可能性」を指摘。その上で、侵入者と自宅で鉢合わせしたケースの対策を呼びかけた。

 茂原署によると、25日午後0時40分ごろ、茂原市の住宅から「部屋の中に刃物を持った男がいて大声を出したら逃走した」と帰宅した住民女性から110番があった。女性は男に驚いてつまずき軽傷を負った。同署は住居侵入事件として男の行方を追っている。署によると、男は身長170センチほど。1階の和室に潜んでおり、女性が買い物から帰宅したところ、突然、ふすまを開けて姿を見せたという。女性が近所に助けを求め、男は現場から走り去ったとみられる。金品などの被害は確認されておらず、署は詳しい状況を調べている。

 小川氏は「現場は最寄り駅から徒歩15分くらいの場所ですが、駅前の通りをずっと来てから1回路地に入って、また路地に入ったところ。土地鑑がないと来るのは難しい場所。グルグル回っていると同じ場所に出てきてしまう所です。現場は閑静な住宅街で、被害者宅は玄関側に道路があり、その他の三方は隣家と接しており、侵入するには見られやすい場所で、泥棒が好む場所ではない」と現場の状況を説明した。

 周辺住民にも取材した小川氏は「ご近所の方に話を聞いたが、10年以上住んでいる方や6年住んでいる方のいずれも、空き巣に入られたことも、近所で窃盗事件が発生したという話も聞いたことはなく、警察から空き巣が多いといった話や防犯メール等での注意もないそうです。不審者等の事件もここ10年くらい全くなかったという静かな街です」と補足した。

 侵入していた男が凶器を持っていたことについて、小川氏は「通常、泥棒は刃物を持って歩きません。刃物を持って物色する者もいるが、そういう者は侵入宅の台所にある包丁などを使う。泥棒に入るのに刃物を持っていると職務質問をされてしまうので、家に入ってから中にあるものを使う」としつつ、侵入した時間に注目した。

 小川氏は「昼の12時半頃は、ご近所は在宅の人が多い時間帯。午前中や夕方に入る泥棒はいるが、正午過ぎは狙われにくい時間帯。そういうところを見ると、物色もなく、何も盗られていないところを見ると、泥棒目的ではなかった可能性もある」と指摘した。

 近所の人からは被害者の悲鳴と共に「強盗!」という叫び声を聞いたという証言もある。小川氏は「今はみんなマスクをしているが、マスクをしていても、知っている人は分かるので、面識はなかったといえる」と推測。「犯人は凶器を持っていたが、被害女性に大声を出されてしまったので驚いて逃げたということが、これまでに分かっていることですね」とした。

 では、一般的に、侵入者と自宅で鉢合わせするようなケースがあった場合、どのような対応をすべきなのだろうか。

 小川氏は「帰宅して玄関から室内に入ろうとした際に、玄関の鍵が壊されていて、泥棒に入られているなと分かった時、何か盗まれているのではと思ってあわてて中に入る人がいるが、絶対に家には入らないでください。『泥棒に入られたな』と感じたら、いったん外に出てから110番通報してください。また、中で侵入者と出くわした場合は絶対に捕まえようとしないでください。犯人は捕まりたくない一心で必死になっています。侵入用具や凶器を持っていれば襲ってくることもあるので、そういう時は泥棒に道を空けて逃がしてから、110番通報してください」と注意を促した。

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