東京都では新型コロナウイルス新規感染者が5日までに4日連続で100人を超えるなど、次なる局面に入り込もうとしている。問題になっているのは新宿、池袋など、いわゆる「夜の街」での経路不明の感染者。特に若者の増加が目立つが、夜の街の住人に聞くと“表に出せない事情”があった。その実態を独自ルートで取材してみた。
これは何かの前兆か。東京都の新型コロナウイルス感染者は日を追うごとに増加傾向にあり、地方都市にも“飛び火”し始めている。まじめな国民が「自粛」という名の理不尽な要請に従い、ようやく収束に向かい始めたのでは…とホッとしたのも束の間。記者も自粛していた早朝の散歩を再開していたが、事態は第2波を告げる最悪な危機状況までに来たかのようで不安な気持ちになってきた。そこで、池袋で生まれ、都内の夜にも詳しい筆者が取材すると、こんな実態が浮かび上がって来た。
新宿の繁華街で50年。この一帯のすべてを知り尽くす不動産会社のO社長が語る。
「そもそも一番の問題はホストクラブの経営者のあり方です。従業員のみならずお客の女性も未成年を店に入れていた。不正営業ですからこの時点で極秘にする。これが問題です」
「経営者は不正を隠すために感染者の未成年を他の店へ移動させる。これが拡大につながります。例えば、渋谷から新宿。不正営業の取り締まりで手入れがあると察知すると店舗を変えたりしたり、人事配置を変えて逃れています。これでは感染ルートが分からないはずです。未成年ですから。余計に隠蔽しますよね」
現在は某有名クラブを運営するなど夜の街にも詳しいだけに、O社長の話には説得力があった。さらに、池袋在住で銀座のMママさんが信憑性のある話を切り出した。
「夜の街の感染者はホストにハマった30代の女性が多い。いろいろ男性関係を体験しているので度胸がついています。水商売だけでは飲食代は払いきれません。貢ぎますからね。となると当然、風俗をしないとホストクラブにはいけません。店に通う女の子は少なくなっていると聞きますが、逆に未成年が増えたとも聞きます。そうなると雇う方も少女も両方が隠しますからね」
「それと、新宿のホスト通いしている女性の住居が埼玉にあったりする。だから経路としては池袋にまで波及するのは分かるような気がします。それを見つけ出さないといけない。要するに拡大の根っこは隠すからです。そこを取り締まる方が先だと思います」
だんだん夜の街の構図が分かって来たが、取材を進めると、もっと過激な発言をする人が現れた。渋谷でラブホテルを経営する芸能関係者のSさんはこう指摘する。
「覚醒剤と一緒ですよ。今回のコロナでも感染していても名乗り出ない人が結構いる。まして、このような店の中には大物政治家や、芸能人が資金を出して若い男性の名義で経営している店もある。なにかあれば、その店長が責任を取らされ、裏の経営者はのほほんとしている。その実態がホストクラブですよ」
もちろん、この話がすべてではなく、多くのホストクラブでは「3密」や「濃厚接触」を避ける努力をしながらサービスを提供している。行政も手をこまねいているわけではない。プライバシーを守るのは当然。しかし、隠蔽工作が続く限り、新型コロナウイルスの拡大防止などできるはずがない。