「小吉」と「末吉」どっちが良いの?「待ち人」って誰のこと? …「おみくじ用語」講座

平藤 清刀 平藤 清刀

新型コロナウイルス感染拡大予防のため今年の初詣は、分散参拝が呼びかけられているが、行く場合もマスクをするなど、しっかり感染対策をとった上で参拝していただきたい。

さて、初詣ではこの1年の運試しとばかりに「おみくじ」を引くことが楽しみのひとつ。「大吉」から「大凶」の間の順序や、おみくじに書かれてある用語を知れば、もっと深い意味にたどりつけるかもしれない。元おみくじライターのH氏に解説してもらった。

吉凶には順序がある

吉凶を占うための「籤(くじ)」に尊敬を表す接頭辞の「御(み)」をつけて「御籤(みくじ)」と呼び、さらにもうひとつ「お」を重ねて「おみくじ」になった。最近ではネット上で参拝しておみくじを引く「オンラインおみくじ」というものもある。

「一種の占いですから、言葉通り受け止めるより、心にとめておいて戒めにしたり、迷いが生じたときの精神的な指針になったりしますね」

ちなみに神社のおみくじは「神籤」、お寺のおみくじは「仏籤」というそうだ。

ところで「おみくじ」といえば「運勢」を表す「吉」と「凶」があって、さらに細かく「大吉」「小吉」「大凶」などにランク分け(?)されている。

「吉凶には順序があります」

神社やお寺ごとに多少の違いはあるが、運勢が良い順に並べたらこのようになる。

    ◇   ◇

〔運勢良い〕← 大吉>吉>中吉>小吉>末吉>凶>大凶 →〔運勢悪い〕

    ◇   ◇

「よく目にするのはこの7種類だと思います」

神社やお寺によっては「吉」と「中吉」、「小吉」と「末吉」が入れ替わっている例もあるという。そして「中吉」「小吉」は「吉の大きさ」を表し、「末吉」は「今は良くなくても、後に吉になる」という意味だそうだ。

運勢が12種類に細分化されたおみくじもある。

   ◇   ◇ 

▽大吉……とても良い。
▽吉……良い。
▽中吉……まあまあ良い。
▽小吉……少し良い。
▽半吉……吉の半分くらい。
▽末吉……後になって開ける。
▽末小吉……今は良くないが後になって少し開ける。
▽凶……悪い。
▽小凶……凶より少し悪い。
▽半凶……小凶より少し悪い。
▽末凶……半凶より少し悪い。
▽大凶……今がいちばん悪い。

   ◇   ◇

「良いのか悪いのかよく分からないものもありますけど、さらに細かく知りたい人には17種類に分けられたおみくじもあります。神社やお寺ごとに工夫を凝らしていて、列挙したらキリがありません」

「走り人」って…どんな状況?

おみくじには吉凶のほかに「恋愛」「商売」「探し物」などの項目を設けて、短い文章が書かれている。

「縁談とか商売は分かりますけど『待ち人』って、誰のことって思いませんか?」

おみくじでいう「待ち人」とは、「何か良い影響を与えてくれる人」のことだそうだ。

「だから特定の誰かのことではないんです。恋人ができるかもしれませんし、古い友人と再会することかもしれません」

ほかにも、いくつかみてみよう。

   ◇   ◇

▽出ずべし……出てくるだろう。見つかるだろう。(「べし」は「~だろう」という意味)
▽出でず……出てこない。
▽失せ物……失くした物。「失せ物出ずべし」と書いてあったら「失くしたものが見つかるだろう」ということ。
▽障(さわ)りあり……問題や都合の悪いことがある。
▽安(やす)し……たやすくできる。「出産安し」と書いてあったら「安産」ということ。
▽商売……売り買い・商売。おみくじでは「あきない」と読む。
▽恋愛……恋愛(そのままの意味)。
▽探し物……探している物。
▽走り人(はしりびと)……いなくなったり失踪したりした人。
▽誠意に答えよ……真面目に正直な対応をしましょう。

   ◇   ◇

最後に、「おみくじ」とは、どう付き合えばいいのだろう。

「たんなる吉凶占いだけではなく、自分の行動に照らして生活指針に活用するのがいいと思います」

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