離婚を機に始めた猫との暮らし、悲しい時、いつも寄り添っていてくれるかけがえのない存在に

渡辺 陽 渡辺 陽

猫が好きで、子供の頃から猫を拾っては飼っていた岩崎さん。離婚を機に、再び猫と暮らし始めた。天真爛漫な子猫、麦くんは、動くものに興味津々。岩崎さんは生傷が絶えない日々を送っていた。しかし、麦くんは、岩崎さんが落ち込んでいると必ずそばにいてくれる優しい猫でもある。

離婚を機に、もう一度猫を飼おうと思い立つ

東京都に住む岩崎さんは、麦くんという猫を飼っている。

昔から猫が好きで、子供の頃も捨て猫を2度拾って飼っていた。2匹とも持病があったので短命だったが、いつかまた猫を飼いたいとずっと思っていたという。

「麦に出会う少し前に離婚をして、一人暮らしになったことが、また猫と暮らそうと行動に移すきっかけになったのかもしれません。心機一転、新しい生活を始めたかったのだと思います。ただ一人暮らしでひとつの命を預かる怖さもとてもあったので、いろいろ調べました。ペットショップで購入することが巡り巡って不幸な犬猫をつくってしまうことや、殺処分の現状、保護猫のことなどを知り、まず『生態販売の流通に金銭的加担しない』と決めました」

時々近所の動物病院の里親募集のチラシを見たり、譲渡サイトなどに掲載されている猫を見たりしながら過ごしていたところ、職場の同僚から子猫の里親を探していると言われた。同僚の実家では、外猫を飼っていたのだが、いつの間にか妊娠。2015年4月末に出産したのだという。7月12日、同僚がケージに子猫を入れて連れてきてくれた。

初日から天真爛漫

きれいな小麦色だったので、麦くんと名付けた。

まったく人見知りしない麦くん。家に来てケージを開けた途端、いろいろなもので遊び始め、ひとしきり遊んだらリビングの真ん中で寝てしまった。

「初日から私のおなかの上で寝たり、太ももにぴったりくっついたり、本当に無邪気に振舞っていました。一人暮らしだった私の生活が急ににぎやかになったんです」

外猫だったのでうんちに虫がいたり、ノミがいたりしたので、慌てて病院に行った。あまりケアされていない状態で岩崎さんのところに来たということは、飼われていたというより野良に近い状態だったのではないかと思われた。

僕って猫じゃなかったの?

子猫の時の麦くんは、とにかくやんちゃで元気、無邪気で可愛らしかった。しかし、動くものを見ると楽しくてしょうがないようで、毎日岩崎さんの足首や指や腕を噛んできた。そのため、岩崎さんはいつも傷だらけだった。 

3年後、後輩猫ホップちゃんを迎えるまでは、岩崎さんと麦くんだけで暮らしていたので、麦くんは岩崎さんのことを恋人のように思っていたようだった。岩崎さんの友人が遊びに来ると、みんなと一緒に食卓を囲んだり、飲み会にもずっと参加していたり、自分のことを人間だと思っているようだった。ホップちゃんが来て、自分は猫だと知りショックを受けているようだったという。

麦くんを迎えて、岩崎さんの生活は一変した。母性本能が満たされ、家で、ひとりで過ごす時間が好きになった。

「一人暮らしの家の中でも毎日笑っていて、毎日がとても楽しくなったんです。麦とくっついてまどろむ休日の午後は、何ものにも代えがたい幸福感で満たされました」

部下や友人にも表情が柔和になった、性格が優しくなったと、当時よく言われた。

麦くんは男っぽい見た目と性格だが、すりすり体をこすりつけたり、足の間でお腹を上に向けて爆睡したり、「好き」を全身で表現する。根はとても優しく、岩崎さんが落ち込んで泣いている時は絶対に寄り添い、じっと静かに体をくっつけていてくれる。浴槽の中で泣いている時も、お風呂が得意ではないはずだが、浴槽のヘリの上にきて、ぴったり寄り添ってくれる。力が強く乱暴なところもあるが、繊細で賢く、優しい子なのだという。

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