栃木県に住んでいる駿河さんは、柴犬とコーギーのミックス犬(1歳)ゆずくんを飼っていたのだが、2018年11月、レモンちゃんという子猫も保護することになった。初冬とはいえ、夜になると寒さでストーブをつけずにはいられないような日の晩。一匹の子猫が「部屋の中に入れてくれ」とニャーニャー窓の外で鳴いていたという。
「窓を開けると中に入ってきたので、とりあえず水をあげ、コンビニでキャットフードを買って与えました。お腹が空いていたようで元気に食べましたが、疲れていたのか、すぐに寝てしまいました。猫用のトイレがなかったので、週末までは家の中で飼うことはできず、毛布を敷いた箱をガレージに置いて様子を見守っていたんです。トイレを買ってから家の中で飼い始めました」
後で近所の人から聞いたところ、レモンちゃんは、アパートの庭を数日前からうろうろしていたのだという。母猫も兄弟も見当たらず、誰かが捨てたのかもしれない。
「レモンがうちを選んでくれた」
レモンちゃんを保護した駿河さんだが、「最初はレモンを飼うつもりはなく、誰かに譲渡するつもりでした。知り合いで、自身も保護猫を飼っている“くまちゃんママ”から、譲渡する方法や動物病院で何をしてもらえばいいのか、必要な物からフードの与え方まで、いろんなことを教えてもらいました」
小さい頃から実家で犬を飼っていて、祖父母が猫を飼っていたこともあり、動物が好きだという駿河さん。野良猫を見るとご飯をあげたくなるという。くまちゃんママにレモンちゃんを譲渡したいと思ったが、「先住猫がいるので、多頭飼いはできない」と断られた。
「レモンがうちを選んでくれたんだと思うと情がわいてきて、自分で飼うことにしたんです」
ゆずくんとの相性が良かったことも決め手になった。2匹はつかず離れず、ほどよい距離を保っているという。