「和ませ係」のシニア親子猫がいる、まちの自転車屋さん

うちの福招きねこ〜西日本編〜

西松 宏 西松 宏

 私が生まれたとき、ゆりかごで猫と一緒に写っている写真が残っているほど、うちの実家には、拾ってきたり居ついたりして、現在まで常に数匹の猫がいます。「猫は幸せを招いてくれるから」と母。ただ、父(2代目の故・善雄氏)は猫が大嫌いでね。本気で猫と喧嘩するような人だったんです。

 でも、晩年、たまたま保護した「エリー」という猫がものすごく父になついてね。父が名前を呼んだら胸に飛び込んでくるような子でした。それで、父は一転、メロメロになってしまったんですよ(笑)。

 こんなエピソードもあります。これは「白ビビ」という父が好きだった別の猫の話ですが、入院中の父が母に電話したとき、「猫に代わってくれ」とよく頼んだそうです。母が猫に受話器を押し当てて、「ほら、お父さんよ」と。そんなことを繰り返していたら、父が亡くなってからも、家の電話が鳴ると、その子は電話台まで走っていって、父の声を聞くのを待っていたことがよくあったそうです。猫嫌いだった父が、こんなに猫に慕われるなんて不思議ですね。

 コロナ禍で5月のゴールデンウィークは休業しました。毎年3、4月は自転車が最も売れる時期ですが、売上は前年に比べ約2割減りました。5月以降は通勤やレジャーに使えるスポーツバイクや、親御さんが「自粛期間中、子どもに乗り方を教えたいから」とキッズサイクルの需要は増えたものの、自転車をネットで購入する人が増えたことを強く実感しました。そうした方々にも満足してもらえるサービスをどう提供していけるかが今後の課題として明確にみえ、対応を整えているところです。

 休業期間中は、私とスタッフが交代で店に来て、2匹の世話をしていました。シニア猫ですから、体調の変化には気をつけないと。つい先日も、クロの食欲がなくなって体重が減り、病院へ連れていったばかり。薬を飲んで今はまた元気になったので一安心です。

 コロナ禍で商店街の人通りが激減し、従業員たちもこれからどうなるんだろうと不安を抱えるなかでも、この子たちはいつもと変わらずマイペース。たとえば、スタッフがお昼を食べていたら、クロがスタッフの膝の上に両手を置いて「ちょーだい」とおねだりするしぐさが面白かったり(笑)。最近、2匹は店先に出ることは少なくなり、店奥の事務所で過ごすことが多くなりましたが、2匹がいつまでも元気で、こうして店にいて、みんなを和ませてくれているー。そんななにげない日常が、とてもありがたく思えます。

【店名】「サイクルショップコダマ(府内町本店)」
【住所】大分市府内町1-6-19 サンサン通り
【電話番号】097-536-1510

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