「七部」…この名字、読めますか? ヒントは「七夕」!「七」のところだけ強引に読んで「部」に続けると…

日本の難読名字

森岡 浩 森岡 浩

「七部」…この名字、読めますか? 姓氏研究家・森岡浩氏が日本人の難読名字を紹介します。

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読み方を聞くと極めて普通で、しかも漢字も簡単なのに、全く読むことができないという難読名字。

この名字の読み方を知るためには、まず「七夕」という漢字が読める必要がある。「七夕」は7月7日の節句のことで、読み方は「たなばた」。

「たなばた」の由来にはいくつかの説があるが、機織り機で神聖な織物を織る、棚機つ女(たなばたつめ)の後ろ部分が落ちたもの、という説が一般的。そして、7月7日の夕方に行われたため、「たなばた」という言葉に「七夕」という漢字をあてたものだ。古い言葉では、音ではなく意味から漢字を当てることも珍しくない。

従って、「七」が「たな」で、「部」が「ばた」というわけではない。熟字訓と言って2文字合わせた特殊に読み方である。しかし、これを強引に「七」と「部」に分けて、「七」の部分を「たな」と読ませる人がいたらしい。そこから「七部」と書いて「たなべ」と読む。

「田辺」さんの一族が分家して漢字を変える際に、こうした当て字を思いついたものだろう。現在は栃木県足利市と茨城県水戸市に集中している。

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