「手計」…この名字、読めますか? 相撲に詳しい人は知ってるかも!埼玉県深谷市にある地名がルーツ

日本の難読名字

森岡 浩 森岡 浩

「手計」…この名字、読めますか? 姓氏研究家・森岡浩が日本人の難読名字を紹介します。

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「計」という漢字には「計る=はかる」という読みもあることから、読めないことはないが、初見で正解を出すのはなかなか難しい。

かなり珍しい名字だが、大相撲に詳しい人だと見たことがあるという人もいるだろう。昨年九州場所で20歳にして十両に昇格した琴勝峰関は、幕下までは「琴手計」という四股名で土俵に上がっていた。この四股名は、本名が「手計富士紀」(てばかり・としき)であることに由来している。

名字のルーツは埼玉県深谷市にある手計という地名で、現在でも「手計」という名字は深谷市に集中している。ただし、地名の読み方は「てばか」で、現在は下手計と上手計にわかれている。

この不思議な地名は、平安時代の後三年の役で源義家が奥州に向かう際に、この地で負傷を負った家臣の片腕を切り落として埋葬した場所が「手墓(てばか)」という地名になったのに因むという。江戸時代頃には漢字が「手計」に変化していた。

ここに住んだ人が地名から「手計」を名字にしたものだが、「手計」で「てばか」というのは名字としてはちょっと違和感があるのか、「てばかり」に変化したものだろう。

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