キャットタワーで愛猫が遊んだり寝たりする姿は、かわいいですし癒されますよね。ネコちゃんもキャットタワーで遊ぶことで運動不足を解消したり、リラックスできる居場所をつくったりできます。そんなキャットタワーは、どうやって作られているのでしょうか。キャットタワー専門店としてオリジナルタワーを販売する「Mau(マウ)」(東京都足立区)の代表取締役・寺田史子さんに聞きました。
キャットタワーができるまでの流れ
まず、実際にキャットタワーをつくるときの流れを教えてもらいました。
(1)使うネコちゃんを設定
猫種、年齢、運動量(ジャンプが得意か不得意か、障害があるかなど)を設定して、デザイン(色を含む)を検討する
(2)デザイン画、寸法、カラー、生地を決め、工場にサンプル制作を依頼
(3)ファーストサンプルを確認
寸法(ステップ間、ステップ幅、高さ、大きさ)、動線(ネコが使いやすいか)、デザイン(イメージとカラー)をチェックして変更箇所を工場に指示する
(4)セカンド~サードサンプルを同様にチェックして改良
(5)モデルネコちゃんで実際に使用確認
(6)すべてOKになったら現物と同じサンプルを制作
(7)量産
──完成までさまざまなチェックがおこなわれるのですね。(5)のモデルネコちゃんを使って、どんな確認をするのですか?
まずタワーに乗せてみます。タワーでの上下運動やどこで落ち着くかなどをみるために、自由にさせておきます。猫の移動の際には、ステップ間の高さ、幅、大きさを確認します。その後ハウスやハンモック、ベッドなどに入れてみて大きさ、高さ、深さ、丈夫さなどを確認します。
──素材はどうやって決めるのですか?
キャットタワーに使用する素材は、シャギータイプ(少し毛足があります)のポリエステルでほぼ決まっています。また、危なくないように爪が伸びていても引っかからないもの。上り下りの際に足に負担が少ないように、生地に多少厚みが感じられるものを選んでいます。また工程上作りやすく、汚れにくく、重たくなく、生産上安定しているものを選びます。カラーや柄は実際に生地屋に赴いて、オリジナルのカラーや柄を作ります。
──ハンモックやハウスはある方がいいのでしょうか?
猫ちゃんは自分だけの居場所があると安心します。もともと猫は狭いところ、隠れられる場所が好きですからハウスやハンモックは大好きなので必要だと思います。
──キャットタワーが向かない子はいますか?
ほとんどの子は皆、上に上りたい、自分の場所が欲しいという習性があると思いますが、しいて言えば生後2か月ごろまでの赤ちゃん猫や、かなりシニアになってもうじっとしていたい子には向かないと思います。赤ちゃん猫はまだ運動能力が足りず落ちてしまうと危ないですし、かなりシニアの猫ちゃんは逆に運動能力が落ちてしまって思うように動けなくなると危ないからです。
ただし飼い主様が落ちても大丈夫なように下にクッションなどを置いたり、スロープを設置すれば使うことも可能だと思われます。
──キャットタワーを専門で作られるようなったのはなぜですか?
我が家の猫が気に入るキャットタワーを、どうしても作ってあげたかったのが始まりです。そのためタワー第1号は猫が好きな大きなハウスがあり、さらにたくさんある穴から顔や手を出して遊ぶかわいい姿を私が見たいと思ったことから、チーズ型の大きなハウスがついたタワーにしました。それが、弊社のアラモードというタワーです。
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キャットタワーはたくさんの工程を経て、ネコちゃんの個性に合うようにさまざまなタイプが作られています。Mauのキャットタワーは部品交換ができ、部分的に汚れたり傷んだりしても1台すべてを交換せずにすむそうです。また、公式サイトには、キャットタワーを選ぶコツや慣れさせるコツなどもまとめられています。サイズが大きいですし、安い買い物ではないので、我が家のネコちゃんに合うキャットタワーを見つけたいですね。
キャットタワー専門店Mau https://www.maustore.jp/