埼玉県に住む高橋さんは、先住猫ネルちゃんと一緒に暮らす猫を迎えようと思っていた。当時、譲渡会のことを知らなかったのだが、偶然見かけた譲渡会に参加。ほとんどの子猫がぐっすり寝ている中、元気に遊ぶ子猫が目に留まった。
元気に遊んでいた子猫
高橋ルルちゃんは、2018年3月にデパートの倉庫で生まれたのだが、無事に保護され、町角譲渡会に参加した。
埼玉県に住む高橋さんは、先住猫のネルちゃんの友達を作ってあげたいと思ってはいたが、譲渡会については知らなかった。買い物に行った時に、たまたま町角譲渡会が開催されているのを目にして、参加してみたという。
譲渡会では、子猫たちがひとつのケージに3匹ずつくらい入っていて、ケージが積み重ねられていた。子猫なので寝ている子が多かったが、1匹だけ人間の女の子とケージ越しに遊んでいる子猫がいた。先住猫のネルちゃんに柄が似ていて、一番元気。ぴょんぴょん跳ねるように遊んでいるのが印象的だった。
「あの子、元気だねと娘と話していて、翌週もまだいたら譲渡してもらおうと思ったんです」
譲渡会に参加している猫は男の子が多かったが、ネルちゃんが女の子なので、女の子がいいと思ったことも影響した。
トライアルは失敗!?でも、可愛くて返せない
翌週、譲渡会に行くと、まだルルちゃんが残っていた。ネルちゃんと相性が合うかどうか心配だったので、トライアルから始めることにした。2018年6月20日、ルルちゃんのトライアルがスタートした。
保護主さんがキャリーケースに入れて持ってきてくれたのだが、いきなりルルちゃんを放したので、先住猫のネルちゃんは突然鼻にキスをされて、驚いて隠れてしまった。興味はあるけれど、思いがけず新しい猫が来たので、「何?何なの?」と戸惑ったようだった。
高橋さんは、トライアルに失敗したかと思ったが、ルルちゃんを見ていると、「とても返せない、なんとか仲良くなってと祈るような気持ちだった」という。
一方、ルルちゃんは、新しい家に来たことが嬉しくて仕方がないようで、ぴょんぴょん跳ねて、いろんなところを探検した。ぴょんぴょん動き回る様子がルンルンしているように見えたので、ルルちゃんという名前になったという。
やんちゃなルルちゃん
ルルちゃんが家に来てから1週間くらいは、ネルちゃんは食事も摂らなくなり、トイレも思うようにできなくなった。しかし、ルルちゃんは、ネルちゃんが逃げてもくっついて、自分からグルーミングしに行った。
「すごく健気な感じがしました。次第にネルもあきらめて仲良くなり、一緒に寝るようになりました」
活発なルルちゃんは、2階のリビングから3階まで吹き抜けになっている部分の、奥にある窓のところまで行ってしまったことがある。登ったはいいが降りられなくなってしまい、ニャアニャア鳴いていた。それを見たネルが慌ててキャットタワーの一番上まで登ってニャアニャア言って、2階と3階を上下していた。まるで「動くな、動くな、危ないよ」と言っているようだった。
「2匹の様子を見ていて、いつの間にかこんなに仲良くなったんだと思うと嬉しくなりました」
長男がキャットタワーに上り、段ボールを差し出すと、ルルちゃんは箱の中に飛び降りてきて、無事救出できた。