コロナ対策で京大名物「ビラロード」をデジタル化 学生がサークル勧誘で画期的アイデア

浅井 佳穂 浅井 佳穂

 京都大の学生が、さまざまなサークルの勧誘ビラを掲載したウェブサイトを開設した。京大では毎年4月、新入生をサークルに勧誘するビラの配布が構内で行われるが、今年は新型コロナウイルスの感染防止で大学から自粛を求められたためだ。訪問者は増えているといい、オンライン上で勧誘が活発化している。

 サイト名は「京大ビラロード2020」。京大3年の中藤智晴さん(21)=左京区=が立ち上げた。

 例年4月上旬は、健康診断に向かう新入生をクラブやサークルに勧誘しようと、上級生たちが大学構内の道路の両側に待ち構え、ビラを配る習わしになっている。ビラ配りの行列が延々続くことから、「ビラロード」と呼ばれ、京大の春の風物詩だ。

 しかし、今年は新型コロナの感染拡大を受け、新入生の健康診断がウェブ問診となった上、大学から課外活動の自粛要請が出されたため勧誘ができなくなった。3月中旬に大学の方針を知った中藤さんは、自身が所属するスキューバダビングサークルの勧誘方法を思案し、サイト上にビラを掲載することを思いついた。

 中藤さんは、「京大ビラロード2020」のツイッターアカウントを開設し、体育会のクラブに協力を要請するメッセージを送信。当初、掲載は体育会を中心に30団体ほどだったが、次第に増え、4月上旬には約170団体となった。

 サイトでは、学内団体を「体育会」「運動系サークル」「文化系サークル」に分類。ビラの写真を押すと、各団体の活動内容のほか、サークルのサイトなどのアドレス、連絡を取るための無料通話アプリ「LINE」のIDやQRコードを見られる。さらに、各団体の魅力を紹介するコラムのコーナーもある。

 中藤さんは「自分が新入生の時に、いろいろなビラをもらったのがうれしかった。サイトを見て少しでもわくわく感を味わって、気に入ったサークルを見つけてほしい」と話す。6月末まで掲載予定。

■京大ビラロード http://teclabo.xsrv.jp/biraroad2020/

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