「傘」…この名字、読めますか? 姓氏研究家・森岡浩が日本人の難読名字を紹介します。
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現在では、雨をしのぐための道具を一般に「かさ」と呼んでいるが、「かさ」には大きく2つの種類があった。1つは古くから日本にあるもので、直接頭にのせるもの。これには「笠」という漢字をあてた。「菅笠」「三度笠」といったときにはこの漢字を使う。
もう1つは、中国からはいってきた、ついている柄を手に持つもので、これには「傘」という漢字を使用した。「こうもり傘」「折り畳み傘」など、現在使用している「かさ」には「傘」という漢字を当てる。
つまり、ひとくちに「かさ」といっても、その形状で漢字が違っているのだ。そして、中国からわたってきた「傘」は、「中国=唐(から)」の「かさ」という意味で「からかさ」とも言ったことに由来している。
なお、「笠」という名字は多く、古代豪族にも笠一族があるなど、歴史の古い名字である。