きょうはひなまつり。新型コロナウイルス感染拡大防止のため各地でイベントも中止になり、心なしかおひなさまたちも寂しそうですが…静岡県の伊豆シャボテン動物公園では、おひなさまに扮したサボテンたち「しゃぼてん雛」が愛らしい姿を振りまき、SNS上では「完全にやらされてる笑」「愛しい」などと話題になっています。
2013年から毎年開催している「シャボテンひな祭り」。3段飾りのひな壇に並ぶのは、同園で栽培している約1500種のサボテン・多肉植物の中から選ばれた「イケサボ」「美サボ」たちだといいます。
―何が基準なんですか?
「お内裏様はやっぱりお殿様ですので、サボテンの王様ともいわれ、王道を走る『金鯱(きんしゃち)』を、お雛様は華やかさが大切なのでこの時期に花をつけるサボテンの中でも、頭のてっぺんに可憐なピンク色の花をつける『利踏天(りとうてん)』を選んでいます。利踏天はネオポルテリアともいうんですが、最近学名がエリオシケに統一されて…。どっちにしろ舌を噛みそうな名前ですが笑」
―三人官女は?
「この3人もやっぱりお花がかわいらしく咲く子を…と『玉翁(たまおきな)』という品種を使っています。名前は翁(おじいちゃん)ですが、ティアラみたいに円状にピンクの花が咲くんですよ。この子たちはまだ咲いてませんが…」
―ほほう。どれも美しいですね。じゃあ、五人囃子のお兄さま方は?
「五人囃子には『新天地(しんてんち)』、『赤鳳(せきほう)』、『鸞鳳玉(らんぽうぎょく)』、『雪晃(せっこう)』、『金盛丸(きんせいまる)』を並べています。上2段は毎年ほとんど同じ品種なんですが、五人囃子は変わることも。あ、でも今年は去年と同じですが…」
―えーと、どれも難しいお名前でいらっしゃいますね…
「そうですね。五人囃子は個性豊かなものを選んでいるので…。鼓を持っている真ん中の子は、上から見ると五角形をしていてお星さまのように見えるんですよ」
―「服のクオリティがすごい」との声もあります。
「服はフェルト製で、私の先代の担当者が手作りしたものを繕いながら使っていたのですが、さすがに色落ちしてしまい、今年はお内裏様とお雛様だけ手芸の得意な後輩スタッフに新しく作ってもらいました」
―服と頭(?)との絶妙なバランスもカワイイというかシュールというか。
「ええ。服の下には鉢が隠れているんですが、いろんな株がある中からハマってるな、という子を選んでいます」
お雛様はいつまで飾る?という疑問もありますが、伊豆シャボテン動物公園では旧暦の桃の節句である4月3日までの予定とか。担当者は「いろいろありますが、あと1カ月は飾っているのでゆっくり見に来てください。もしかしたら五人囃子の笛を吹いている子も花を咲かせているかもしれませんので」と話してくれました。