そんな福田さんに、お気に入りのゾンビ映画を教えてもらった。
・「サンゲリア」(1979年) コメント:古典的な作品だが、何百年も前の死体を表現した職人のゾンビメイクが素晴らしい。
・「ゾンゲリア」(1981年) コメント:殺す/殺される、映画の見る/見られるという関係性が逆転するところがすごくいい。
・「セル」(2016年) コメント:原作はスティーヴン・キング。携帯の電波を媒介にゾンビが増殖していくという、めっちゃ変な映画。ウィルスも電磁波も目に見えないという意味では同じなのかも。
ゾンビに足りないものとは
ホラーからコメディ、アクションまで、様々なジャンルに登場するゾンビだが、福田さんによると、致命的に弱いジャンルがあるという。「ラブロマンス」だ。
「たとえば吸血鬼は見た目も麗しく、BLでもいける。萩尾望都さんの『ポーの一族』のような傑作もあります。でもゾンビは見た目が気持ち悪いし、おそらくすごく臭い。そこを乗り越えて恋をするにはどうしたらいいのでしょう。『ウォーム・ボディーズ』(2013年)は惜しいところまで行ったのですが…」
そんな悩める福田さんが翻訳を担当した「ゾンビの小哲学」は、人文書院から税別2400円で発売中。