生まれて間も無く保護された猫、物怖じせず家族の仲間入り「いつも家族の真ん中にいてくれる」

渡辺 陽 渡辺 陽

老犬看護のボランティア宅に通っていた親子猫

ライくん(8歳・オス)は野良猫だったが、生まれて間もない頃に奈良県で老犬看護のボランティアをしている人に保護された。母猫が子猫を連れてその人の家に通うようになったので保護したという。その後、ボランティアは母猫を家族として迎え、子猫2匹は里親を募集した。

大阪府在住のNさんは、子どもの時から動物が好きで、実家でモルモット、犬、猫を飼っていた。結婚してからも動物と暮らしたいと切望していたが、子育てに追われて余裕がなかった。

「当時小学3年生だった次男はとてもやんちゃで問題行動もあったのですが、動物が好きで、野良猫におやつをあげたり撫でたりしているのを見て、『猫と一緒に暮らしてみる?』と家族で話しました。次男は、幼稚園に行く途中で黒猫に会うのを楽しみにしていたのですが、その子が亡くなり、とても悲しんでいたのです」

Nさんが譲渡サイトで黒猫を探すと、黒猫の兄妹が掲載されていた。初めに出てきた女の子の方を申し込んだが、真菌が出他ので治療してからのお渡しになると言われた。

「私たちはすぐにお迎えしたかったので、じゃあ、男の子の方で!と決めたのがライです。生後3ヶ月くらいになっていました」

家族がひとつになれた

ライくんが家に来た日は次男の始業式の日だった。学校から走って帰ってきた次男は友だちをたくさん連れてきて、いきなり大人数での面会になった。
「ライは物怖じすることもなく、順番に家族やお友だちに挨拶してくれて、たくさん遊んでもらいました。次男が遊ぶために作ったダンボールハウスをライが気に入って、中に入ってゴロゴロ喉を鳴らしてくつろいでいました」

名前は次男が付けた。強そうな名前がいいと、長い名前で「ライジングボルト」と言っていたが、初めの2文字のライくんになったという。

ライくんは、幼い頃は次男とまるで兄弟のように飛びついたり追いかけっこをしたりしてじゃれあっていた。甘え上手で、家族の誰かが座るとどこからともなく現れて膝に乗る。「ライがうちに来てくれて、家族の気持ちがひとつになりました。生活はライを中心に回るようになりました。ライはいつも、家族の真ん中にいてくれます」

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