東久留米の男性殺人事件で同居女性の次男逮捕…凶器の発見が捜査のポイント

小川 泰平 小川 泰平
凶器とみられる刃物はまだ見つかっていない(naka/stock.adobe.com)
凶器とみられる刃物はまだ見つかっていない(naka/stock.adobe.com)

 東京都東久留米市の住宅で11月に会社員二岡一浩さん(55)が殺害された事件で、二岡さんと同居する50代女性の次男である無職三ツ本寛己容疑者(28)が12月2日に強盗殺人の疑いで逮捕されたことを受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は3日、当サイトの取材に対し、強盗の犯行と偽装した手口を解説しながら、同容疑者が使用したとみられる凶器の発見が立件に向けての重要なポイントになることを指摘した。

 逮捕容疑は11月8日未明、自宅で二岡さんを刃物で複数回刺して失血死させた疑い。被害者は三ツ本容疑者の母と20代の妹との3人暮らし。同容疑者は近くのアパートで暮らしており、事件発生時、母と妹は海外旅行で不在だったが、同日午前、二岡さんの勤務先から出勤していないことを伝えられた同居女性が次男の三ツ本容疑者に様子を見に行くように連絡し、午後に同容疑者が「窓ガラスが割られている」と110番通報。警察が二岡さんの遺体を発見した。

 室内に物色された跡があったため、強盗事件としても調べられたが、奪われたものはなかった。小川氏は「まず先に殺害したことは間違いない。約70カ所も刺していることから、絶命した後も刺し続けているとしか考えられない。その後で、強盗に見せかけるために物色はしたものの、本来の目的は殺害であるので、慌てて物色し、物盗りのように偽装して出て行ったのだと思います。プロの泥棒か否かは専門の刑事がみれば一発で分かります」と推測した。

 一方で、同氏は「容疑者にとって自分が第一発見者になるとは想定外だったかもしれない。本当は、家族が旅行から帰って来て発見するか、第三者が割れたガラス窓をみて通報すると考えていたのでしょう。なので道路から見えやすい場所のガラスを破っているのです。通常プロの窃盗犯なら裏からです」と指摘した。

 第三者である「強盗」の犯行と見せかけるためか、玄関脇の窓ガラスが割られていたが、かなり乱暴な手口で目立った割れ方をしていた。警察が三ツ本容疑者のスマートフォンを解析したところ、事件前に空き巣の侵入手口を調べていた検索履歴が確認されている。

 小川氏は「これは空き巣の手口で『焼き切り』や『焼き破り』と言われていますが、どう見ても決して上手ではなく、職業泥棒がやった跡には見えない。プロならばその4分の1くらいに小さく割る。ガシャガシャに破られており、ネットか何かで検索して見よう見まねでやったと考えられる」と分析した。

 現場付近の複数の防犯カメラには11月8日未明に同容疑者の姿が映っていたが、「コンビニへ行った。酒を飲んでいてよく覚えていない」として容疑を否認している。容疑者の自宅を家宅捜索して複数のナイフが押収されたが、被害者の傷口と押収したナイフの形状が一致しておらず、凶器とみられる刃物はまだ見つかっていない。

 小川氏は「それを見つけなければならない。立件していく上で、犯行に使われた凶器が見つからないことには捜査が進まない」とし、「犯行用に複数のナイフを準備していった可能性はあると思います。実際に使った、『両刃』ではないかとみられている、血痕が付いた凶器はどこかに遺棄したのだろうと思われる。破棄した場所について取り調べで自供を得て凶器の発見、つまり『秘密の暴露』が今後のポイントになる」と指摘した。

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