東京・東久留米市の住宅で会社員の二岡一浩さん(55)が8日に遺体で発見された強盗殺人事件について、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は12日、当サイトの取材に対し、同居者の不在時であった状況や数10か所を刃物で刺した手口から、容疑者について「家庭内の事情を知った者で、相当強い恨みを持った者の犯行」と推測した。
警視庁の捜査本部によると、二岡さんは2階寝室のベッドでシャツと下着姿であおむけに倒れていた。司法解剖の結果、死因は心臓を刺されたことによる失血死だったことが判明したが、刃物で数十か所を刺されたとみられ、小さな傷を含めると刺し傷は70カ所ほどあったという。
刺した回数の多さについて、小川氏は「被害者の意識が既にない状態にもかかわらず、刃物で刺し続けている状況からみて相当強いうらみがあったと考えられる。物盗りの手口ではない。約70か所も刺していることに強い殺意がみられ、その中には背中から貫通した、かなり深い傷もあった。その状況からして容疑者は事前に大型の凶器を準備していたと考えられる」と分析した。
現金の入った財布やバッグが二岡さんの自宅1階で見つかったが、室内は荒らされていたものの、盗まれたような物は確認されていないことからも、同氏は動機を「怨恨」と強調した。
二岡さんは50代女性と、女性の20代長女との3人暮らしで、この女性2人は海外旅行中だった。小川氏は「家族が不在と知っていて犯行に及んだ可能性がある。家庭の事情を知っている者ではないか」と指摘した。