まぶしすぎる未来感!あの「ぶっ飛びパビリオン」は今…1970年大阪万博・主役たちの「その後」追跡

沢田 眉香子 沢田 眉香子

 1970年の大阪万博で、多くの人に感動を与えたパビリオンや展示物が、閉幕後、日本各地に移築されて第二の人生を送っていたことをご存じだろうか。万博パビリオンたちの「その後」を追跡する「1970年大阪万博ビフォーアフター」展が、橋爪紳也(大阪府立大研究推進機構特別教授)の監修のもと、万博記念公園内の「EXPO'70 パビリオン」(大阪府吹田市)で開催中だ。

 万博会場から全国に散った1970年大阪万博のパビリオンたちの「その後」は、悲喜こもごも。幼稚園に移築されたエクアドル館、ラーメン屋になったウルグアイ館。テーマパークの呼び物となり、バブル崩壊で取り壊しとなった物件もある。それぞれの「ビフォーアフター」物語は、万博後の日本の世相も映しだす。

 そして、半世紀を経た今なお現役の建物、展示物も少なくないのは驚きだ。当時の最新のデザインや技術を注ぎ込まれ、世界の文化を伝えた万博の偉大さを物語る文化遺産たちの現在を目撃しよう。

 アミューズメントパーク「伊豆富士見ランド」に移築されてアトラクションとして活用されたのち、取り壊されたサウジアラビア館。

 ラオス館は、展示されていた釈迦如来像ごと移築され、長野県諏訪市で寺院「昭和寺」として建立された。

 「サントリー館」のモニュメントは、サントリー京都ブルワリーに移築されて現存している。

 あわせて、展示品の現物も公開されている。印象的なのはその大きさだ。インターネットが登場するはるか昔、海外旅行も今ほど自由にはできなかった当時の人々が思い描く「世界」のスケールは、きっと今より大きかったはず。

 同時に「20世紀×21世紀の世界を支える人々」展も同会場で開催。岡本太郎が太陽の塔で企画した写真展「世界を支える無名の人々」の記録と、旅作家で、フォトエッセイ『エガオノオト』の著者・歩りえこの写真のコラボレーション展示だ。

 岡本太郎が企画した「世界を支える無名の人々」の展示作品。開発途上国の普通の人々を撮影した写真で、人類の多様性と平等を伝えた。今もって世界共通のテーマである。

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