70人の中に同じ誕生日の人が1組ある確率は? 医療と切っても切れない縁にある数字の世界

ドクター備忘録

松本 浩彦 松本 浩彦
医療を語るのに、数字や確率は欠かせないものです(Creativa Images/stock.adobe.com)
医療を語るのに、数字や確率は欠かせないものです(Creativa Images/stock.adobe.com)

 「うつ病」の頻度は、50人いると、うち一人はいま現在うつ病にかかっている。13人いると、うち一人は過去もしくは将来、一度はうつ病になる、とされています。これって実は「水虫」とだいたい同じ罹患率で、うつ病は珍しい病気ではないといえます。さらに水虫に比べると、はるかに治りやすい病気でもあります。とはいえ、いまうつ病で苦しんでいる人にとっては、そんな数字は何の慰めにもなりません。

 医療の世界では、数字や確率だけでものごとを測るのは、あまり感心されませんが、それでも治療手技の成功率や薬の効果など、数字と切っても切れない縁にあることもまた事実ですので、今日は数学のお話を少々。

 不特定な70人の人の中に、同じ誕生日の人が1組いる確率は99・9%、すなわちほぼ間違いなく1組いる、というお話です。これは大学入試レベルの数学で証明できます。

 誕生日が全員バラバラとなる確率を計算すると、365分の364(2人目の誕生日が一人目と異なる確率)かける365分の363(3人目の誕生日が最初の二人と異なる確率)かける…と、どんどんかけ続けていくと、365分の295(70人目もそれまでの69人と異なる確率)のところで0.999になります。

 つまり、70人いたらほぼ間違いなくその中には、同じ誕生日の人が1組いるということです。ただし誤解しないでください、「同じ誕生日の二人組が存在する確率」ということであって「自分と同じ誕生日の人がいる確率」と混同しないように。

 でも不特定に70人を集めると、その中に誕生日が同じ人が必ず1組いるって、なんとも不思議な話ですよね。

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